2009年11月19日
パンクバンドのメンバーたちが繰り広げる“チンピラ落語”の会場風景=東京・茅場町のギャラリー(福住廉さん提供)
鉄子に歴女、仏像ガール…。鉄道に歴史、仏像と、渋い趣味に走る女性が増えているらしい。何回か前にアリーさんも歴女、書いていましたね。
もう出尽くした感もあるものの、「次、来る地味系ブームは何か」を大胆予測。知れば知るほど奥が深くて、あまり女性のイメージがない世界…星子とか落女とか?(前者は天体観測、後者は落語です。念のため) ピンポイントだった皆既日食と比べると、宮藤官九郎の絶妙の脚本が光った人気ドラマ『タイガー&ドラゴン』もろもろ、数年前から盛り上がりつつある落語が有望株か。
落語カフェを偵察してみようかとも思ったけど、「今秋、隅田川のほとりに、江戸時代とも近未来とも似つかない奇妙な高座が出現します」という、うたい文句に誘われて、素人落語の会に行って来ました。
会場は東京駅からも近い、茅場町のギャラリー。出演は鶴屋一門…といっても大半はパンクバンドのメンバーだという自称“チンピラ落語”。ほの暗い何やら怪しい雰囲気の中、登場した1番手は意外なことに女性でした 緊張で震える声で「お国言葉というものは…」と話し始めたのは、方言が巻き起こす勘違いをネタにした『勘定板』という演目。なまりが本格的で客席からは「うまい!」の声も。初日の演者は5人。バンドのリーダー、飯田裕之さんの鶴の一声で一斉に落語を始めたとかで、インターネットの動画投稿サイトで古典落語を検索し、原稿を書き起こして暗記したという出演者もいました。
そもそもこの会、美術評論家の福住廉さんが、プロの芸術家ではない、アマチュアによる表現を取り上げる「21世紀の限界芸術論」の企画。「なぜ今、落語を?」と福住さんに聞いてみると、「文句なしにおもしろかったから」。確かに。チンピラというけどあまり脱線もなく、まじめな落語に聴き入ってしまった。奇妙な高座は10月後半に計6日行われ、千秋楽は会場からの飛び入りも含めて12人が高座に上り、大盛況だったそうです。
初日の観客はというと、男女が半々。落女現象、もうすぐそこまで来ているのかも。『タイガー&ドラゴン』の続編でも作ってくれたら、ちまたに落女があふれそうな気がします。(瀬川成子・共同通信記者)
せがわ・しげこ 5年間の京都勤務で、すっかり「庭園好き」に。奈良出身で濃厚な仏像ガールのDNAも。東京に来て3年。泊まり勤務明けの眠い目をこすりながら、劇場&美術館に通う日々。歌舞伎から小劇場、現代アートまで食わず嫌いをせず、「???」な作品とも格闘。もちろん、おいしいものも大好きです。









