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猫八襲名で「ものまねコンチェルト」復活 故山本直純の曲と駄じゃれに脱帽

2009年10月29日

4代目江戸家猫八さん。襲名披露で故山本直純さん作曲の「ものまねコンチェルト」を演奏する
4代目江戸家猫八さん。襲名披露で故山本直純さん作曲の「ものまねコンチェルト」を演奏する

世の中には、と言うより、自分の周辺を見渡しても、駄じゃれの名手というのが結構多くて、笑わせてくれたり、逆に迷惑を掛けてくれたりしている。こういう人たちはおおむね、他人の心境を思いやれなかったり、場の空気が読めなかったりするものだが、一生懸命駄じゃれのことばっかり考えていれば、それもやむを得ないかもしれない。

7年前に亡くなった作曲家の山本直純さんも駄じゃれの名手だった。久々にそれを思い出させてくれたのは、1枚のCDだ。

これは、このほど父親の名前を襲名したばかりの、ものまねの4代目江戸家猫八さんから借り受けたもので、かつてのラジオ番組を録音したものだ。

猫八さんが小猫と名乗っていた20年ほど前、その動物の鳴きまねに触発された直純さんが、オーケストラとものまねのコンチェルト『動物たちの四季』を作曲した。春夏秋冬それぞれ3曲ずつ、計12曲からなる組曲で、オーケストラがワルツやセレナーデ、マーチなどを演奏する中、猫八さんが得意とする秋の虫や、馬、牛、クマまで、約30種類の動物の声が登場する。

CDに収められているのは、直純さんが札幌交響楽団を指揮し、猫八さんと共演したものだそうで、残念ながら市販されているものではない。

聴衆を前に、猫八・直純2人の解説を交えながら演奏が進んでいく。メロディーとリズムに合わせて次々と繰り出される動物の鳴き声もさることながら、2人の掛け合いが“駄じゃれ合戦”の様相を呈して面白い。

曲は1月の『ツルの一声』で始まるが、演奏の後、直純さんは聴衆に向かって「ツルの鳴き声はわかったでしょ、単調(丹頂)だから」「長調で鳴くのかと思ったら、短調だった」「危なかったよ、とんだところでオツル(落ちる)とこだった」―と連発。

その後も「虫の声だからって、指揮者を無視(虫)されたら困る」「鳥がまだ残ってるよ、取り(鳥)残されてるのが」、猫八さんが「僕はトナカイはできないけど、鹿ならできる」と言うと「それシカない?」、「次はシチメンチョウです」と言えば「それはまたシチメンドウクサイ」。

さて、このコンチェルト、久々に聴ける機会がやってくる。

11月からスタートする猫八襲名披露公演の幾つかで、演奏されることが決まった。今回はオーケストラではなく、ピアノなどとの共演で、編曲も担当した永田郁代さんらが協力する。演奏するのは全曲中『ホトトギスのワルツ』『虫のセレナーデ』など5、6曲の予定だという。

直純さんの駄じゃれはもう聞けないが、音楽を通して2人のパワーを感じてみたい。(エンタメ編集デスク・小松美知雄

(注)演奏のある襲名披露公演で一般発売のある当面の日程は次の通り。11月22日仙台市・ホテル仙台プラザ、30日東京・浜離宮朝日ホール、12月6日栃木県日光市・明治の館、13日東京・芝パークホテル、2月12日甲府市・山梨県立県民文化ホール。以降は未定。

関係情報は襲名イベントプロジェクトチームのホームページ=http://n-eight.co.jp/


こまつ・みちお 共同通信に三十数年。うち文化部に17年。記憶に残る楽しいインタビューは、アン・ルイスさん、浅野温子さん、ジュリー・アンドリュースさん。2009年からはエンタメ編集デスク。好きな言葉は「様子を見よう」。つまり判断の先送り? まあ、いいじゃない、様子を見てみましょう。水戸黄門じゃないけど。






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