わかりやすさが魅力のコント小説 『エスケープ!』 渡部建著
2009年09月07日

『エスケープ!』 多彩じゃなきゃ生き残れない、芸人さんは大変です…
また芸人が小説家としてデビュー。アンジャッシュのツッコミ担当・渡部建が、コントを作って16年のノウハウすべてを注いだという本書。ミステリー仕立てのコメディーだ。
主人公は平凡な大学4年生の青年・シュウ。就職が決まり、結婚をせがむ彼女もいて、何となく見えてきた将来に、少しもワクワクを感じない。
そんな中、空き巣の手口を明かした雑誌の記事を発見。たまたま“おいしい”豪邸も見つかり、シュウは人生初の空き巣計画を企てることに。
登場人物の性格や設定が少しありきたり? が、コント的なシチュエーションとしてこれはこれでありな感じ。お決まり的な展開が続き、だいたい先読めたと思いきや、ラストにひとひねり、意外なオチが用意されていた。こまごました伏線を張っているところは、さすが芸人。すべてが明かされると、思いがけないカタルシスを得られた。
実はあまり期待していなかったので(失礼!)、得した気分。ぜひとも書き続けてほしい。
(幻冬舎 1300円+税)=尾崎英子・筆
この商品を購入する






