ゆるくダイナミック、林業の世界 『神去(かむさり)なあなあ日常』 三浦しをん著
2009年08月10日

『神去(かむさり)なあなあ日常』 ちなみに神去村は架空の場所のようです
題名から漂う、ゆるーい感じ。「なあなあ」というのは、三重県の山奥にある神去村の住人の口癖で、「ゆっくり行こう」というニュアンス。100年単位でサイクルする林業をしている者が多いせいか、村人たちは「なあなあ」を大事に生きている。
そんな村に放り込まれたのが、高校を卒業したばかりの青年・勇気。就職難のご時世、担任教師と親の陰謀により、『緑の雇用』(林業に就業することを前提に、国が助成金を出す)で、林業の見習いをすることに。逃げ腰だった現代っ子が、大自然とそこで従事する人々と対峙し、たくましく成長していく1年を描いている。
勇気の今風の口調で、物語は進行。林業はおろか、田舎生活素人の若者の驚きや感動が、みずみずしく伝わってくる。読んでいるこちらも林業について無知なので、「マジで?!」の連続だ。
そしてクライマックスは祭りのシーン。「なあなあ」とは、自然=神に委ねるということで、「破壊的」でもあり……。
悠然とした日本の四季折々を体感できる。
(徳間書店 1500円+税)=尾崎英子・著
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