チェーンの居酒屋は卒業しよう 『今夜も赤ちょうちん』 鈴木琢磨著
2009年08月10日

『今夜も赤ちょうちん』 1話が見開きで完結なので読みやすい
不況といえ、家呑みばかりじゃつまらない。チェーン店は食傷気味、でもグルメサイトに載らない名店を見つけるのは難しいと思っていたら、いいガイドブックを発見。
本書は、毎日新聞夕刊で3年にわたって連載していた人気のコラム。自称・居酒屋バカの著者が探訪した、厳選79軒の名店が収録されている。関西方面も数軒あるが、ほとんどが都内の店だ。ふらりと入った店でもさすがは名物記者、亭主に肴を任せ、居合わせた客と話を弾ませる。
市井の人間ドラマもいいが、その店と縁のある著名人との思い出話も興味深い。赤塚不二夫いきつけの酒場のご主人は元釣り師、BGMは東北民謡、アジのなめろうがおつだとか。柴又では、渥美清が好きだった納豆オムレツをつまみに焼酎を水割りで。
店の詳しい住所は掲載されていないが、今の時代、最寄り駅と店名があれば調べられる。ガタピシの戸を開けて、まずは生ビール、ハムカツ、ポテサラ、赤みそのどて煮……これぞ大人の醍醐味。
(青灯社 1500円+税)=尾崎英子・筆
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