文士が愛した甘味 『作家のおやつ』 コロナ・ブックス編集部
2009年03月30日

『作家のおやつ』 表紙は『万惣フルーツパーラー』のホットケーキ
食卓、猫、犬につづいて、「作家の○○」第4弾。プライベートな写真や創作の現場、身近な人が打ち明ける秘話などを載せ、丁寧に編集されている人気のシリーズだ。
原稿用紙の上にペンを置き、ちょっと休憩、と手を伸ばす甘いもの。そんなところに、その人らしさがにじみ出る。
芸術家たるもの食べ物にあれこれ言わぬが信条の三島由紀夫は、かぼちゃの種で小腹を満たしたという。風呂上がりに缶ビールを飲みながらみかんゼリーをほお張るとは、酒飲みの池波正太郎らしい。
手塚治虫、向田邦子、坂口安吾、渋沢龍彦など、31人の作家の気に入りのおやつを写真付きで紹介。老舗の逸品あり、無名の菓子あり。あの店のアレじゃなきゃとこだわるのも、こだわらないのも、作家の美学のようだ。
巻末には掲載されている菓子店がリストアップされている。春の読書のお供にいかがでしょうか。
(平凡社 1600円+税)=尾崎英子・筆
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