郷愁と幸福感がいっぱい ブライアン・ウィルソン 『ラッキー・オールド・サン』
2009年03月25日

ブライアン・ウィルソン 『ラッキー・オールド・サン』
サーフィン、ビーチ、車など、1960年代のカリフォルニアの豊かなライフスタイルを描いて“夢のカリフォルニア”のイメージを作り上げたビーチ・ボーイズ。華やかな曲の世界とは裏腹に、リーダーでベーシストだったブライアン・ウィルソンは1966年の『ペット・サウンズ』以降、アルコールやドラッグにおぼれて第一線から身を引いていた。
そのブライアンがソロ復帰後、長らく制作を頓挫していたアルバム『スマイル』を完成させたときは往年のファンを驚喜させた。そして2008年、66歳で発表した最新作『ラッキー・オールド・サン』も衰えを感じさせないすばらしさだった。
本作には、ビーチ・ボーイズゆかりの米キャピトル・レコードでのスタジオライブ映像を中心に、1時間を超えるドキュメンタリー映像やメイキング映像などが収められている。収録時、各パートに細かいアレンジの指示を出すブライアンの奇才ぶりが興味深い。
生まれ育った南カリフォルニアと自身の人生を重ね合わせた曲は郷愁を感じるような穏やかな幸福感に満ちている。作家の村上春樹による訳書『ペット・サウンズ』の併読をおすすめしたい。
(EMI、3800円)=小西樹里・筆
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