最新の知見を盛り込む 「外国語学習の科学-第二言語習得論とは何か」 白井恭弘著
2008年10月27日

「外国語学習の科学-第二言語習得論とは何か」
突然だが、英語はお好き? 語学なら任せておけというご仁は-はっきり言って-そうはいまい。
語学は難しい。それは、日々学生たちに英語を教え、自分でも英語翻訳を仕事にしてきた僕にしても、身に染みている。
どうしたらうまくなるだろう。その答えを一冊に求めるのは酷だが、少なくとも最新の知見を盛り込んだ第2言語習得論として、本書にはヒントがあふれている。
使用機会の少なさと、沈黙は金の日本文化。それが言語習得の壁とは、よく言われるところ。本書も同じだが、違うのは「インプット」と「アウトプット」の大切さを強調した点。
米国人の赤ちゃんに、中国語を5時間聞かせた所、相当の音声識別能力を身につけた。聞くことの大切さだが、それが定着するには「学習者にそれだけのニーズがあること」と言う。
覚えた言葉を使わざるを得ない状況があって、初めて語学はモノになるのだ。
学説紹介に筆を割きすぎの感はあるが、第2言語習得論の「今」が見える。
(岩波新書 700円+税)=安岡真・筆
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