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「怖い」展覧会に行列 美術に興味持つきっかけに

上野の森美術館(東京都)の「怖い絵」展の入場を待つ列

 次々と悲惨な死を遂げる子どもたち、目隠しをされた処刑直前の若い娘―。ぞっとする背景を持つ絵の展覧会が各地で人気を集めている。宇都宮市や東京都の美術館で開かれている「怖い展覧会」は連日大盛況で、関係者は「『怖いもの見たさ』が絵画への興味につながれば」と期待を込める。


 宇都宮美術館(宇都宮市)は、大人向け絵本の作家として知られる米国のエドワード・ゴーリーを取り上げた企画展「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」を開催している。同美術館の展覧会では通常、8週間の会期全体で1万人来場すれば多い方とされるが、今回は4週目の時点で既に6千人ほど来ているという。


 ゴーリーの作品は、不気味でユーモラスな世界観と緻密な線描が特徴。人気作『ギャシュリークラムのちびっ子たち』は、名前の頭文字のアルファベット順に、幼い子どもが階段から落ちたり、クマに襲われたりして次々死んでいく。展覧会では、同作の原画など約350点を展示している。


 担当学芸員は「絵本や米文学に関心がある人に加え、好奇心で来場する人もいるようだ」と話す。今月26日まで開催した後、島根県や福井県の美術館で巡回展示する。


 東京都台東区の上野の森美術館では、10月7日から「恐怖」をテーマに約80点の名画を集めた企画「怖い絵」展を開いている。平日も長蛇の列ができ、来場者は既に15万人を突破。東京に先立ち、神戸市の兵庫県立美術館でも開催していたが、こちらも同美術館で歴代3位となる約27万人の来場者数を記録した。


 展覧会では、16歳の若さで処刑されたイングランド女王を描いた歴史画「レディ・ジェーン・グレイの処刑」(ポール・ドラローシュ)を日本初公開。鑑賞のポイントや背景などヒントを示し、想像力をかき立てる展示にしている。


 同展覧会の担当者は「普段美術展に来ない若い人たちが、SNSの投稿などを見て来場してくれている。怖さというキャッチーなテーマが受け入れられ、人気が出たのではないか」と分析し「これをきっかけに、絵に興味を持ち、美術館に足を運んでほしい」と話した。会期は来月17日まで。


(47NEWS編集部 関かおり)

2017/11/10  
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