47NEWS >  編集部から >  松坂の戦線離脱とWBC連覇

コメントをお寄せください

松坂の戦線離脱とWBC連覇

 野球の米大リーグ、レッドソックスの松坂大輔投手が、今季2度目の故障者リスト(DL)に入り投げられない日々を送っている。今季は1勝5敗、防御率8・23。信じがたい数字が残っている。
 医師は肩の不調と診断しているが詳細は伝わってこない。フランコナ監督は「(最短期間の)2週間で復帰できるようなDL入りではない」と深刻さを口にした。
 右肩の張り。すべてをそのせいと断言する根拠はないが、3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)との因果関係を疑ってみ たくなる。松坂は日本代表のエースとして2連覇に貢献し、最優秀選手に選ばれた。そのツケが高い代償となって跳ね返っているのではないかとの推測だ。
 3月5日の開幕から長丁場で、しかも神経をすり減らす戦いが続いた。それでなくても通常よりシーズンインは1カ月も早まり、選手たちが疲れをいやすオフはいつもより短くなった。
 WBCがいかに過酷な戦いであったかは、マリナーズのイチロー外野手の例で明らかだ。期待と責任の大きさの狭間で苦悶(くもん)し、胃かいようを患って大リーグの開幕から8試合も欠場しなければならなかった。今や新記録の9年連続 200安打達成に着々近づいている超一流打者にして、初めて味わう体験だった。
 投手の肩は消耗品と言われる。球数制限に象徴的なように、大リーグでは徹底した肩の管理が行われる。それからするとWBCの1カ月は全く余計な "超過勤務"ということになるのか。
 選手寿命を尊重する思想は素晴らしい。しかし、公式戦開幕前にWBC開催を設定したのも彼らだ。もともとこのイベントは野球のより一層の国際的な普及と発展を目指し、大リーグとその選手会が主導して始まった経緯がある。
 だが、日本や韓国、キューバなどはとらえ方が全く違う。優勝すること、 それも打倒米国を果たしての結果にこだわる。それに対し米国は普及という建前に固執し、正真正銘の全米代表を編成しようとしない。主力選手の全面的な出場には球界そのものが消極的なのだ。
 野球の盟主を自負するなら、少々傲慢過ぎるのではないか。全力で向かってくる相手には、真摯に対抗するのがスポーツマンシップの本来の姿だと思う。
 例えば期間を短縮して日米韓などのシーズン中に開催するとか、リーグ戦終了後に実施するなど、時期の設定を含めて工夫の余地はないのか。
 一日も早く松坂の勇姿が蘇ってほしい。精も根も使い果たしわけではないのだろうが、肩の不調 に加えて自信喪失気味なのも気掛かりだ。
 もし米国で松坂のWBCへの取り組みが正当に評価されていないとしたら、こんな情けないことはない。「国際的な普及」などもってのほかである。(スポーツ担当 岡本彰)
2009/06/29  
 編集部からトップへ戻る    記事一覧はこちら 
編集部からのお知らせ一覧