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2008年09月19日
事実上、首相と農相が不在の日本の内閣
太田誠一農相が9月19日、辞任した。後任はなく、町村官房長官が兼任する。残す“任期”が後5日となっているから、「兼任」なのだろうが、汚染米への不安が拡大する中、たとえ自民党の総裁選で新内閣に変わるからといって最高責任者の農相が“不在”のままでいいのだろうか。
それにしても安倍内閣以来、太田氏は5人目の農相。松岡農相は事務所の光熱費問題などから自殺、あとを継いだ赤城徳彦氏は父親の自宅を事務所として届出したことが問題となり2カ月で辞任に追い込まれた。昨年8月の改造内閣で就任した遠藤も金銭問題によりたった8日間で辞任した。その後、若林正俊氏が就任して、今年8月まで農相を務め、太田氏に引き継いだ。
太田氏は汚染米問題で引責辞任したかたちとなったが、事務所費疑惑が浮上する一方で、農相就任直後に出演したテレビ番組で「消費者としての国民がやかましくいろいろと言うから、応えざるを得ない」と発言するなど物議をかもし出していた。
そもそも5年前の早大生による集団レイプ事件について「まだ元気があるからいい。正常に近いじゃないか」と突拍子もない発言をしていた御仁だ。そんな人物が農相に就任されていたのだから、とんでもない話なのだ。
過去2年間で農相5人のうち、4人までが不祥事で職を辞したこと自体問題なのだが、ニューヨーク発の金融危機が世界を駆け巡り、国内では食の安全への不安が連鎖的に拡大している時期に、首相が職務を“放棄”したまま、農相も“兼任”ってのはどうなのか。いま、この国で責任を取る人物が不在なのである。(いがぐり頭)
この2年間の農相
42代 2006年9月26日 松岡利勝(安倍内閣)=自殺
― 2007年5月28日 若林正俊(臨時代理)
43代 2007年6月01日 赤城徳彦=辞任
44代 2007年8月01日 若林正俊
45代 2007年8月27日 遠藤武彦(安倍改造内閣)=辞任
― 2007年9月03日 甘利明(臨時代理)
46代 2007年9月04日 若林正俊
47代 2007年9月26日 若林正俊(福田内閣)
48代 2008年8月02日 太田誠一(福田改造内閣) =辞任
49代 2008年9月19日 町村信孝(官房長官兼任)
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2008年09月17日
いまなぜ賀川豊彦なのか
来年2008年は賀川豊彦が神戸の葺合新川のスラムに入って救貧活動を始めて100年となる。賀川ゆかりの神戸と東京で賀川豊彦献身100年記念事業全国委員会がつくられ、日本と世界に平和のメッセージを投げかけ続けた賀川の実践と思想を21世紀に蘇らせることを目的とした多くのプロジェクトが準備中だ。筆者ははからずも全国委員会の広報を担当することになった。
いまなぜ賀川豊彦なのかという命題を考えてきた。鳴門市賀川豊彦記念館の田辺健二館長が徳島新聞に「21世紀のグランドデザイナー」と題して連載記事を掲載した。これは大きなヒントとなった。
15日にアメリカの大手証券リーマン・ブラザーズが破綻した。低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題や原油に代表される資源や穀物の価格高騰など投機で世界経済はいま危機に立たされている。社会主義が崩壊して約20年、資本主義の暴走が始まった感がある。80年前の世界恐慌に直面して賀川が提唱したのが協同組合的経営だ。当時、賀川が英文で出版した『Brotherhood Economics』は十数カ国語に翻訳され、経済の第三の道として世界的に注目された。
資本主義は20世紀、世界に多くの富をもたらしたことは確かだが、過剰な投機資金が人々の基礎的生活権を犯し始めているいま、経済のあり方がもう一度問われているような気がする。資本主義の暴走を食い止める第三の道の模索が不可欠だ。賀川の提唱した協同組合的思想のリバイバルが求められているのかもしれない。
そういった意味合いで「21世紀のグランドデザイナー」という表現はいまなぜ賀川なのかと問われたときの回答としてぴったりとなる。同時に、賀川主義のリバイバルには行動や実践が伴わなければならない。賀川イズムが実践の哲学、思想だったことも思い出さなければならない。
賀川だったらどう考えただろうか、どう行動しただろうか。来年の献身100年記念事業を展開するとき、常に議論していきたいと思う。これを「Think Kagawa」と題してはどうだろうか。
全国委員会は考え、議論しながらこれから記念事業を一つひとつ作り上げていきたい。参加団体はもちろんだ。一人でも多くの人に賀川豊彦の実像を伝えていくのが広報委員会の仕事だと考えています。(伴武澄)
Think Kagawa
賀川献身100年記念事業全国委員会
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2008年09月11日
火中の栗を拾う総裁選
9月10日、自民党総裁選が告示され、5人の候補者の名が並んだ。前日、ピョンヤンでは建国60周年記念の軍事パレードが行われ、正規軍が参加しなかったうえに、金正一総書記の姿がなかったことから憶測が憶測を呼び、「金総書記重態説」が世界中を駆け巡った。万が一の事態が生じたら東アジアに激震が走ることだけは間違いない。
そんな北東アジア情勢を背景に始まった総裁選が実に陳腐にみえた。候補者たちが掲げるキャッチフレーズからして危機感に欠けるものであった。
麻生さんの「日本の底力」はまだしも、小池さんの「もったいない」は賞味期限切れ。与謝野さん「あたたかい改革」、石原さん「心の通った改革」には笑ってしまう。それって何もしないということでしょ。石波さんの「私は建て直す」は意味不明。それぞれに7年前の小泉さんの「自民党をぶっ壊す」ほどの迫力には遠く及ばない。
外交・安全保障問題にも触れられたが、テロ特措法ばかりが安保ではない。内政と国内景気ばかりが争点となっていたのも悲しい。アジアをどうするのか、世界の貧困にどう立ち向かうのかといった大風呂敷が政治家には不可欠ではないか。
10日午後の共同記者会見で「解散・総選挙」の時期を問われ、小池さんが「総裁になってから決めます」と言ったほかはみな「次期総裁が決めること」と他人事なのには驚いた。本気で総裁になろうとして戦っているとは到底感じられなかった。
次期自民党総裁は福田さんの後釜の首相になる。今度ばかりは総選挙を免れない。敗れれば下野せざるをえない。そんな政治情勢である。仮に下野を免れても議席の大幅減は必至。しかも参院のねじれ状態は後2年続く。重要法案の参院可決は難しいままだ。
立候補した5人はそんな火中の栗を拾う覚悟はあるのか。 (いがぐり頭)
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