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2007年02月26日

穴あきダムを嗤う 【論外】

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 長野県は、県内を流れる浅川のダムの建設計画を中止した田中康夫前知事の政策を見直し、穴あきダムを建設することを決定した。いわゆる治水利水のうち利水はやめて治水に特化するというのだ。このニュースは47NEWSで「脱ダムの後に『穴あきダム』」という見出しをとって掲載した。

 筆者は一般論として脱ダム賛成派だ。ダムは公共事業のかたまりである。昭和30年代につくられた全国ダムマップをもとに粛々とダムを作り続けてきたのが昨今のダム行政であると聞いたこともある。防災という観点もあっただろうが、どちらかといえば農業用水や工業用水など利水に重点が置かれていたという印象も持っている。その場合の水の需要は右肩上がりの経済を前提としたはずである。

 その右肩上がりの前提が崩れて久しい。一方でダム建設による環境問題も浮上してきて、ダム建設は開発か環境かを問う国民的関心事となった。

 明治以降も多くのダム建設は治山治水や電力に多大な貢献をしてきた。そのことを否定するのではない。ただ20年に一度の災害を防ぐ防災が50年となり、いまや100年に一度の確率にまで迫ろうとしている。もし100年に一度の災害に耐えられる国土ができたら今度は200年に一度の災害に耐えうる国土づくりに励むのだろうか。

 そこまで人間は自然を支配しなければならないのか、。あるいはできるのか。分からないことが多いが、防災コストが倍々ゲームとなることだけは確かであろう。防災は大切である。環境ももちろん大切である。問題は日本という経済がどこまでその負担に耐えられるのかということではないだろうか。

 長野県財政は 財政再建団体への転落ぎりぎりにある。田中前知事が公共事業を抑制してきた背景にはそうした逼迫した財政事情があった。新しい村井知事は昨日、前年度比2・6%増となる8462億円の07年度当初予算案を決めた。浅川ダムの建設は08年度からの予定だが、浅川ダム建設に着手する余裕は本当にあるのだろうか。

 一部の道府県を除いて財政は厳しい。景気回復があろうがなかろうが過去の大盤振る舞いのつけは今後多くの自治体で支払っていかなければならない。小泉首相がそれまでの首相と違っていたのは、景気対策をほとんどやらなかったことである。国民に我慢を強いた。にもかかわらず絶大な支持率を維持した。国交省と一部の業者を喜ばす行政は長続きしないのだ。

 戦前に信濃毎日新聞に桐生悠々という大コムにストがいた。「東京空襲大演習を嗤う」というコラムを書いて陸軍からにらまれ、長野を去らざるを得なかった。悠々ほどの勇気もないが、あえて「穴あきダムを嗤う」というタイトルをつけた。 (紫竹庵人)

 長野県が脱「脱ダム」 浅川治水「穴あきダム」建設へ  2007年02月08日 10:19 【信濃毎日新聞】
 http://www.shinmai.co.jp/news/20070208/KT070207ATI090020000022.htm

投稿者 47news : 2007年02月26日 11:49

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