富士の麓で富士山をくらう!!
2010/02/22
山梨
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どんぶりの中に出現した「富士山」。店の看板メニュー「冨士山うどん」 |
ラブ度: ★★★★
運ばれて来た途端に「おーっ!-。ドンブリの中に富士山が・・・」。農林水産省『郷土料理100選』にも選ばれメジャーデビューを虎視眈々(こしたんたん)と狙う「吉田のうどん」。今や県内の他の地域にも出店が相次ぎ、全国区への道を着々と歩みつつある(と言っては言いすぎだろうか?)ローカルフードだが、それぞれの店が個性を激しく競い合い、自己主張の限りを尽くす姿勢がいきなり見て取れた。
山梨県富士吉田市を中心として周辺では知らない人はいない「吉田のうどん」。「(財)ふじよしだ観光振興サービス」が音頭をとって市内60店余りのうどん屋さんが「吉田のうどん」の旗の下に結束。加盟店は店頭に旗が立っているのですぐ分かる。「稲庭」「讃岐」「水沢」などには知名度で一歩を譲るが、「吉田のうどん」は、一杯食するとアゴが疲れてしまう強いコシから、讃岐うどん並みとはいかないまでも比較的滑らかなのどごしまで、めんのコシのレベルが店の数と同じだけあり、それぞれの店が熱烈な支持者を有する群雄割拠状態が長く続いている。
うどん屋さんの大部分は一見すると「普通の家」で、座敷を開放してテーブルを並べ、見知らぬ同士(と言っても常連客がほとんどなのだが)が相席で、その店独自のうどんを楽しむ。看板もなく、知らない人は知らないまま通り過ぎてしまう店も少なくないという地元密着度が極めて高い業界だ。狭い路地裏にある店も多く、車で訪れる客のために駐車場を整備した郊外型の店が目立ち始めたのは最近になってからのことだ。
こうしたなか、富士急ハイランドのほど近く、昭和大学入り口を富士山へ向かって車で5分ほど入ったカラ松林の中に、平成16年に開店した「麺′ズ 冨士山」がある。社長の刑部錠司さんによると「ウチのめんのコシの強さは中ぐらい」とのこと。「その店を知るには店のイチ押しを食べるにしかず」が信条の筆者は迷わず一日限定30食の「冨士山うどん」(一玉・650円)をオーダー。まず驚いたのは注文からテーブルに載るまで約1分というスピードだ。昼時は行列する人たちも出る人気店だが、行列する人たちもお昼休みの時間内に完食して会社に戻れるように、という配慮だ。
さて、その「冨士山うどん」だが、直径20センチはあろうかというビッグサイズのどんぶりの中には、味付き半熟卵を中心に3本の大きな竹天(竹輪のてんぷら)が富士山の裾野を形成し、人参はアカマツ林だろうか。さらに油揚げは青木ヶ原樹海、ワカメは富士五湖に見立てられているようで、本来は別注文の具材がフルトッピングされた豪華版。めんは3本もほお張れば口いっぱいになりそうな太めん。これに揚げ玉を載せれば雪を頂いた富士山が完成する。
早速、はしを伸ばす。めんの原料は本来はラーメンに使われる「純強」と呼ばれ、強力粉に比べやや柔らかめの粉だが極太のめんも相まって「吉田のうどん」の食感はしっかり感じられる。土、日曜日には県外の観光客も多いとのことで、これなら抵抗なく受け入れられそう。それでも普通のうどんに比べればアゴの疲労度は3~4倍にはなりそうだ。感動したのは半熟卵。しょう油ベースにみりん、酒で漬け込み絶妙の味がほどよくしみ込んだ一品だ。黄身がつゆに流れ出す寸前の柔らかさで踏みとどまり、混濁することなく卵の味を楽しめる。さらに、馬肉が多い「吉田のうどん」では少数派の豚肉、それも地元のブランド「富士桜ポーク」を使用しており、ジューシーな肉とめん、つゆのハーモニーが堪能できるのもうれしい。
うどんのもう一つの命とも言える「つゆ」は、刑部さんの知人のみそ醸造所が「麺′ズ冨士山」のために醸造した特注のみそに、煮干しとサバ節、カツオ節でとっただしをブレンド。あっさりした中にもコクがあるクセになりそうな味わいで、行列ができる店の秘密はこのあたりにもありそうだ。筆者はこの日「うどんはすぐにおなかが空くから」と二玉をオーダー。汗をふきふき完食したものの、夕食時になっても空腹感はさほど感じず、はしも滞りがち。「一玉で十分だったなぁ」と反省しつつ「吉田のうどん」の腹持ちの良さを改めて痛感した次第だった。
<オススメ>「冨士山(ふじやま)うどん」(1日限定30食、1玉・650円、2玉・750円) 「桜ごはん」(1日限定50食 200円)
ホームページ■http://www16.ocn.ne.jp/~men-fuji/


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