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2009年05月25日
東京
カルティエ展の後に食べた上野精養軒のビーフシチュー
こくがあって
歴史的
上野
ラブ度:★★★★

「ビーフシチュー ランドーレ風」
休日に上野へ行き、博物館を見学した。
ふだんはそういったものはあまり見学しない。
だが、なぜか見に行ったのである。
60分待ちの「ルーブル美術館展」や、40分待ちの「大恐竜展」を蹴飛ばし、たどり着いたのは宝石ブランド「カルティエ」の特別展。東京国立博物館で5月31日まで開催されている。
宝石には全く興味はない。
しかし、これはなかなかおもしろかった。
会場にはさまざまな美術様式を用いた宝石が並んでいた。西洋だけでなくエジプトや中国、日本など各地のスタイルを消化し、豪華なアクセサリーを作り出したことが分かる。
カルティエは創業が1847年という。
このブランドは長い歴史を積み重ね、世界の億万長者から巨万の富を取り込み、芸術作品を製作していたのである。
3時間ばかり鑑賞し、足が疲れたので昼食にする。
やはり上野といえば上野精養軒であろう。午後2時ごろに1階の「ランドーレ」に入店。「ビーフシチュー ランドーレ風」(1890円)を注文した。
ここのビーフシチューはうまい。非常にうまい。
とろりとしたソースは滋味深く、こくがある。ビーフの角切りがたくさん入っており、脂がのって実に美味である。ニンジンやマッシュルーム、ジャガイモ、ブロッコリーなどの具材は、整然と切られ、並べられている。
一般的にはここの名物料理はハヤシライスとされているが、「こく」が豊かであるという点で、私はビーフシチューの方を好む。
ご飯とも合うし、もちろん生ビール(650円)との相性もよい。
食後にいただいた「アールグレイのプリン」(750円)も掘り出し物であった。
プリンに紅茶の味がまざっているのであるが、意外や意外、合うのである。
店内は休日の午後だったのでわりとザワザワしていた。ただ、快いざわめきであった。
従業員らはきびきび動き、感じがよい。教育が行き届いているのだろう。
この味と、人込みの上野でゆっくり食事ができたということを考えると、満足であった。値段は少々高かったが。
実はこのレストランは、ジャスダック市場に上場している企業「精養軒」が運営している。
2009年1月期の売上高は37億円、従業員187人を擁する。各地でレストランなどを経営している。
立派な企業なのである。
精養軒の資料によると、創業は1872年(明治5年)で、4年後に上野公園の開園とともに西洋料理店として上野精養軒を開いたという。
店の名前は、1908年(明治41年)に出た
夏目漱石の「三四郎」にも登場する。日本国語大辞典(小学館)によると、
「多分上野の精養軒になるだらう」
という記述がある。
100年も前の小説に店名が出ているのだ。
今回は1847年創業のカルティエの芸術品を堪能し、1872年創業の精養軒の味を楽しんだ。上野の森の中を歩き、歴史の重みを感じた一日であった。

上野精養軒の外観

上野精養軒の看板
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場所■東京都台東区上野公園4番58号
店名■上野精養軒 ランドーレ
電話■03-3821-2181
料理■ビーフシチュー ランドーレ風
値段■1890円
営業時間■喫茶 10:00 ~ 食事 11:00 ~20:00 (ラストオーダー19:00)
定休日■なし
ホームページ■http://www.seiyoken.co.jp/
地図はこちら
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湯浅泉(47NEWS編集部)
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2009年05月18日
京都
京情緒あふれる焼き鳥
シンプル
ユニーク
小粋な味
ラブ度:★★★★

「とり新」の焼き鳥
名作といわれる映画には、いつまでも心に残る印象的なラストシーンが多い。古い作品になるが、列車の窓から身を乗り出すキャサリン・ヘプバーンに、ロッサノ・ブラッツィがプレゼントを手渡そうとするのは「旅情」。列車のスピードが上がり、中身のブローチを掲げてみせるシーンが感動を呼んだ。雨の中でオードリー・ヘプバーンとジョージ・ペパードが猫を挟んで抱き合う「ティファニーで朝食を」。去りゆく馬上のガンマンを呼ぶ少年の声がワイオミングの山にこだまするのは「シェーン」。
映画に比べると、小説というのはラストシーンより書き出しの方が有名だ。「国境の長いトンネルを抜けると…」「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ、情に棹させば流される…」。ここらあたりは、題名を言う必要もない。もっと古くは「祇園精舎の鐘の声」「いずれの御時にか」というのもある。読んでないけど書き出しだけは知っているというのもあるはずだ。
京都の祇園、四条通から縄手通りを北に向かったところに、鳥鍋の店「鳥新」がある。この店の名前が司馬遼太郎の名作「竜馬が行く」に登場する。しかし、これは書き出しではなく、ラストシーン。坂本竜馬が中岡慎太郎とともに襲撃を受ける直前、知り合いの少年にシャモを買いに行かせている。買いに行かせる先が「四条小橋の鳥新」とはっきりと書かれている。
現在の「鳥新」は四条・縄手通りを150メートルほど北へ行ったところなので、小説の場所とは少しずれているが、その辺りの事情は、店のご主人が説明してくれるかもしれない。
今回紹介したいのは、実はこの店ではない。「鳥新」に隣接というか、建物の一部なのだが、南側に焼き鳥の店がある。「鳥」の字を平仮名に置き換えて「とり新」という。
すぐそばに歌人・吉井勇の歌碑がある。「かにかくに 祇園は恋し 寝(ぬ)るときも 枕の下を 水の流るる」。その情緒豊かな白川がすぐ前を流れ、春には満開の桜や枝垂れ柳がそぞろ歩きの人たちを店に誘う。
ガラス戸から中をのぞいて入ってみる。こざっぱりした店内の左手半分がカウンター。そこに座ると、鳥を焼いているのは、鉢巻きを巻いたオジサンじゃなく、妙齢の女性ただ一人。ここのご主人だというから、ちょっと驚く。
串を頼むと、出てくるのは吟味され尽くした鳥肉の数々。おまけに手羽は、やっかいな骨を抜いた上に、手を汚さないように銀紙を巻き付けるという気の配りよう。とり皮は小さめで、東京・渋谷「鳥竹」の巨大なものを食べ慣れている私の目には、おやっと思うほどだが、これがなかなか小粋な味で、店の風情とぴったり。
さらにメニューをよく見ると「ししとり」だの「とりパラ」だの、ユニークな名前も並ぶが、これはまあ想像が付く。分かりにくいのが、仕上げ用に雑炊と並んで書かれている「まご丼」。初めての客は「これ、何」と必ず質問するそうだ。親子丼が鳥肉と玉子の組み合わせなのに対して、こちらは鳥肉をミンチにしてあるからだという。一瞬「なるほど」と思ったものの、よく考えれば、それがどうして孫なの?
ここの"ごちそう"は、焼き鳥だけではない。若き女主人の話す言葉が、しっとりとした昔ながらの京都弁。ちょっと話し掛けてみてはどうだろう。観光客などは、ここでも京都気分を味わえることになる。
実は、もう一人、ここには"スター"がいる。時々手伝いに顔を見せる弟さん。あの京都検定1級を20代で早々にものにしたほどの京都通。およそ京都に関することで知らないことはないらしい。この人、昼間には、この同じ店で親子丼だけを作って評判になっている。情報誌に紹介もされ、行列のできる状態なので、「ああ、あの店か」とピンとくる人もいるかもしれない。
さて、焼き鳥とビールでほろ酔いになったところで、季節もよし、白川沿いに辰巳稲荷へ、さらに保存地区へと足を向ければ、その日の焼き鳥コースは完成する。

「とり新」の外観
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小松美知雄(共同通信)
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2009年05月13日
岐阜
リアルな形?「つちのこ五平餅」
おふくろの味
お茶とよく合う
地元の名物
ラブ度:★★★

形が似ているでしょ!複製のツチノコと
「つちのこ五平餅」
本物のツチノコは食べれないが、食べられるツチノコもある?
GW(大型連休)の毎年5月3日に行われる「つちのこフェスタ」( 加茂郡東白川村 の中川原水辺公園)。今年は、なんと!ツチノコ捕まえたら賞金120万円。会場で、参加チケットを購入して親子(5人)で初参加。「1匹捕まえたら120万。2匹なら240万円。何匹捕まえても・・・」と村長があいさつ。また「今朝、地元のおばあちゃんが野良仕事で見た」との報告を受け、総勢350名のツチノコ探検隊が熊手や棒、タモなど持参し気合を入れて挑んだ。遠方から「見つけた」。こちらでは「捕まえた」の声が・・・。ツチノコ探しは、1時間余りのタイムオーバーで無事終了。親子の収穫は、わらびやよもぎの1袋。足どり重く会場に戻る途中、結果が聞こえてきた。「今年も捕まえることができなったので、来年こそ絶対に見つけてください。来年は1万円加算の賞金121万円」と夢とロマンを託した。
イベント会場にたどり着いた昼時、見たことのない食べ物を発見。それはツチノコの形をした「つちのこ五平餅」。会場やその近くにある「つちのこ館」で、2度味わった。
今から10数年以上前、ふるさと企画のスタッフ一同で考案し業者に委託して形にこだわった「つちのこ五平餅」。特製のたれは、醤油ベースに砂糖、クルミ、落花生、白胡麻などを使用。うるち米の串を両面素焼きし、特製のたれを両面に付けてさらに2度焼きしてじっくりていねいに仕上げ、その場で焼きたてのアツアツがいただける。
「つちのこ館」に立ち寄ると、五平餅の香りが・・・。
昔から祝い事や祭りでよく食べた五平餅。ご飯を潰し串焼きにしたぞうり型や丸い形をしたものだが、お土産コーナーで「つちのこ五平餅」を販売している五平餅は、少し大きめのツチノコの形をしているので驚いた。館内で飲食できる「つちのこ五平餅」を注文した。
「つちのこ五平餅ができあがるまで、2階のツチノコ資料館をご覧になってください」と店員さん。
2階のツチノコ資料館を拝見した。県内で見たという目撃談も多く、結構リアルに作られているツチノコに思わず「キャー」と子供が悲鳴を上げた。
5分後にお膳に地元の東白川茶と「つちのこ五平餅」が上品にお皿の上に載せて運ばれてきた。
ツチノコの資料を見たあと出てきた「ツチノコ五平餅」に子供たちはどんな反応を示すのか。食べてくれるだろうか?
味噌と醤油のような濃厚な茶褐色。香りは餅をこんがり焼いたにおいや特製たれの醤油のほのかな甘辛さが鼻を直撃。食べると、もっちりした食感で味も少し染み込んだ甘辛の醤油味がなかなか癖になり、超うまっー。「形がそっくりでおもしろい」と大きい五平餅に大満足の子供たち。ぺろっと、一気にたいらげた。五平餅を食べながら東白川茶をいただけるなんて最高。

ツチノコの資料がある「つちのこ館」
お茶の香りが漂う 東白川村 は、自然豊かな山裾で育んだ茶の産地。村の中心を流れる白川のせせらぎを聞きながら白川茶をいただくと、なぜか心がリラックスできる。ツチノコ探しは闘志がわくが、この焼餅にはほんと「うまさに焼けるなぁ~」。どこか懐かしく心が和むおふくろの味は、県内外のリピーターは多い。一度、ツチノコ探しの前に「つちのこ館」に訪れて見てはいかが!
場所■ 岐阜県加茂郡東白川村神土426-1
店名■つちのこ館
電話■0574-78-3192
料理■「つちのこ五平餅」(1本160円。飲食コーナーでの価格) ※お土産コーナーでは、1本157円で販売。
営業時間■8:30~17:00
定休日■水曜日
その他■つちのこ資料館入館には通常300円必要ですが、イベント参加のチケット入館料券(お土産の割引付き)で無料。お土産も安く購入可能。
地図はこちら
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アマデウス@岐阜
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2009年05月11日
宮崎
「微妙なぬるさ」という価値 宮崎の冷や汁
ぬるい
ヘルシー
食欲がない時に
ラブ度:★★★

宮崎県を代表する郷土料理の「冷や汁」
今回は宮崎の「冷や汁」(ひやじる)である。
ご飯の上に、冷たい味噌汁をかけて食するという。「冷汁」とも表記するらしい。
実は私は「冷や汁」を食べたことがなかった。
東京・新宿駅の南口にある宮崎県のアンテナショップに行ってみた。
宮崎県がやっているお店なので、この原稿の「都道府県名」は「宮崎」とさせていただきたい。
アンテナショップは「新宿みやざき館KONNE」という。「KONNE」は「コンネ」と読む。
宮崎弁で「いらっしゃい」のことを「来んね」という。「宮崎に来んね」という意味を込めた館名なのである。
1階の一部が軽食コーナーとなっている。ここは簡易な厨房設備を備えており、宮崎の郷土食を提供している。
「冷や汁定食」は550円。
お盆の上に、ご飯のおわんと、冷たい味噌汁のおわんが載っている。冷たい味噌汁を、ご飯の上にかけるのである。
さっそく食べてみる。
一口ほおばると、未知の食感が広がる。
若干ぬるめのご飯と、冷たい味噌汁がまざり、微妙にぬるい状態になる。
この「微妙にぬるい状態」というのは、一般的には日本の飲食店では歓迎されないのではないだろうか。
冷たい料理は、徹底的に冷たいものが好まれる。瓶ビール・生ビールの場合はあくまでキンキンに冷やされる。徹底的に冷たいジョッキが出てくる。
これはこれで、悪くない。むしろ、夏などは非常に望ましい。
一方、熱い料理はとことんまで熱くして提供されるのが常だ。
こうした現代日本の食状況の中にあって、宮崎の「冷や汁」の存在は貴重だ。
「微妙にぬるい」のである。
なんといっても食べやすい。かき込んで食べられるのだ。
夏のさなかに、食欲がなくなった時にうってつけである。
忘れかけていた「ぬるさ」という価値を再認識させる店であった。

ごはんの上に汁をかけます
味についても言及したい。
味噌汁の中にはキュウリと豆腐、大葉、ミョウガ、ゴマが入っている。
ゴマと味噌の味が支配的であるが、大葉の風味がアクセントになっている。
肉や油が入っておらず、たいへんヘルシーである。
やはり宮崎を代表する郷土料理であるだけあって、おいしいのである。
最近の宮崎日日新聞の報道によると、「新宿みやざき館KONNE」の2008年度の売上高が前年度比21.4%減と落ち込んでいるという。東国原知事ブームが一段落したことがうかがえる、と記事は分析している。(2009年4月22日付)
ちょっと寂しい状況ではある。
そんな今こそ宮崎を見直し、冷や汁を食してみるのもいいのではないだろうか。
知事ブーム一段落? 新宿KONNE売上2割減(宮崎日日新聞)

汁を全部かけるとこうなります
【湯浅 泉 (47NEWS編集部記者) のエントリー】
とても濃厚な東京・古奈屋のカレーうどん 2009.11.09
ケンタロウの名レシピをちょっとだけアレンジした「しょうが焼きプレート」 2009.11.02
エルヴィス・プレスリーの大好物? 超甘い「クリスピー・クリーム・ドーナツ」 2009.10.26
椎名誠氏が考案した超簡単「しょうゆマヨスパゲティ」 2009.09.28
伊集院静氏お好みの組み合わせ 「アイスクリーム&ホットコーヒー」 2009.09.19
スパリゾートハワイアンズ名物「ロコモコ」のお味は… 2009.09.14
鳥取の珍しい「二十世紀梨ドリンク」 2009.08.03
新橋の新鮮な「新さんま」 2009.07.20
クレイジーケンバンドのライブの後に食べた福岡の焼きラーメン 2009.07.13
どえりゃーうみゃー、サラリ系・矢場とんの「みそかつ」 2009.06.15
たいそう活気がある池袋の「たいぞうらーめん」 2009.06.08
カルティエ展の後に食べた上野精養軒のビーフシチュー 2009.05.25
「微妙なぬるさ」という価値 宮崎の冷や汁 2009.05.11
東電元社長が愛したカレーライス 2009.04.13
場所■東京都渋谷区代々木2丁目2番1号 新宿サザンテラス内
店名■新宿みやざき館KONNE 軽食コーナー
電話■03-5333-7764
料理■冷や汁定食
値段■550円
営業時間■10:30~21:00 (ラストオーダーは20:30)
定休日■お店にお問い合わせください
ホームページ■http://www.konne.jp/
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湯浅泉(47NEWS編集部)
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