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ハゼの晴れ舞台、仙台雑煮

2009/01/12

宮城

彩りも美しい仙台雑煮

ラブ度: ★★★★

 

 
伝統 個性派 年に一度 雑煮

 この正月、全国各地でさまざまな雑煮が食卓に上った中でも、豪華さという点で東の横綱は、焼きハゼを使った仙台雑煮ではないだろうか。と偉そうに言ったものの、昨年までは写真で見るだけ。それではいけないと、1月2日、自宅で仙台雑煮に初挑戦した(正確に言うと、連れ合いに作ってもらった)。

 前日、ダイコン、ニンジン、ゴボウを千切りにして(これを「ひき菜」というらしい)、ゆでてから冷凍庫で凍らせておく。冷凍することで、野菜のうまみが増すのだという。さて当日。買っておいた焼きハゼを15分ほど煮てだしを取る。次にハゼを別の所に移し、このだし汁に凍ったままのひき菜としみ豆腐を入れて、煮る。ころ合いを見て、しょうゆと酒、塩で味を付ける。

 これで一応出来上がりだが、やはり正月は盛り付けにも心を配りたい。わんにひき菜を敷き、焼いたもちを入れ、汁を注ぐ。かまぼこ、セリ、ユズ、イクラで彩りを添える。主役のハゼは、人によって置き場所が異なるようだ。中心部にドーンとまっすぐに置くケースが多いようだが、今回はあえて曲ったハゼを選び、少しわきに配してみた。色鮮やかな仙台雑煮が完成した。やればできるではないか。

 おもむろに汁を口にする。素朴だが品のある味。福島県出身の自分が、仙台在住30年余りで、やっと仙台人になったような気がした。ハゼはわん上で存在感を際立たせている。ただし、既にだしをとられた身。食べてもいいが、おいしくはない。飾りと見た方がいいようだ。

 ハゼは庶民の魚だ。子どもたちは夏から秋にかけて河口や浦に出かけ、簡単な釣り道具で何匹も釣り上げる。特に宮城県には松島湾、万石浦、長面浦などハゼの生息に適した内湾があり、秋には多くの釣り船でにぎわう。釣ったハゼは定番のハゼ天となって、夕食のテーブルに上がる。

 そんなハゼが焼かれ、干され、焼きハゼとなって主役に躍り出るのが正月の仙台雑煮の場とも言える。ハゼにとっては一世一代の晴れ舞台だが、だしをとられ飾られた時には、本来のおいしさは身にまとっていない。豪華さの中に一抹の寂しさを感じる人もいるかもしれない。

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焼きハゼはこんな風に吊るして
スーパーなどで売られている

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GOHAN@ふらっとM |2009/01/12|10:00| コメント (6) | コメントを書く


お店情報

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 焼きハゼにするハゼは松島湾や長面浦で刺し網で捕り、竹ぐしに刺して炭火で焼き上げる。その後乾燥し、わらで結って出荷する。手間がかかるため、店頭に並ぶ時はそれなりの値段になる。伝統のある仙台雑煮だが、いつごろから食べられるようになったかは、はっきりしないという。仙台藩初代藩主・伊達政宗が食べた雑煮は、ハゼを使っていなかったようだ。


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