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昆布、鯖、酢飯の絶妙ハーモニー

2008/07/21

鳥取

株式会社米吾の吾佐衛門寿し

ラブ度: ★★★★★

 

 あれはもう20年以上も前、新人だった私が鳥取県米子市に出張する前夜のこと。「キミ、明日から米子に出張?だったら、昆布で巻いた鯖の押し寿司を食べてみろ。その寿司には独特な名称があって、それは古風な人名だからすぐ分かる。とにかくうまい、うまいから。ホント、うまいんだあぁ~!」。私の先輩は、謎の押し寿司のおいしさを酒の勢いを借りてひたすら繰り返した。この様子だと、何はともあれ食べてみないと人間関係に亀裂が入ると思った。

 空路で慌ただしく米子入りし、そのまま初日の予定を消化した。先輩おすすめの押し寿司はどこで売っているのか。あれこれ考えながら、ビジネスホテル近くで鮮魚を売りものにしている居酒屋に入った。適当に刺身を頼んでみて驚いた。「米子って、魚がこんなにおいしいところだったのか・・・」。これなら探している謎の押し寿司も期待できそうだ。居酒屋の店主は頑固そうな顔つきだったが、思い切って聞いてみた。すると「古風な名前?昆布で巻いたサバの押し寿司?ああ、それなら吾佐衛門(ござえもん)寿しだろ。普通の店にはないよ。駅弁だからな。明日の朝にでも駅前の売店に行ってみな」と、意外にあっさりと教えてくれた。神秘のベールに包まれたその寿司の名称は『吾佐衛門寿し』だった。そしてそれは、駅弁だったのである。

 翌朝、駅前の売店で吾佐衛門寿しを購入、昼の弁当として取材先で食べた。「う、うまい!こ、これは凄い押し寿司だ!」。脂の乗った鯖が上品な味の酢飯に大胆にからまり、これまた見事に調理された昆布が美味しさを下支えする感じ。“口福”とはまさにこれ!以後、米子での昼飯はずっと吾佐衛門寿しだった。

 おいしかった記憶とともに帰京し、忙しさの中で記憶はいつしか思い出になった。あるとき、会社の同僚に鳥取県出身者を発見。彼が里帰りするとみるや吾佐衛門寿しを買ってくるよう強要し、あの味を何度か楽しんだ。そして最近、米子を再び訪れるチャンスに恵まれた。さっそく駅構内で2人前を購入。その日の夕食は外食せず、ホテルの部屋で吾佐衛門寿しを食べようと決めていた。

 パック、そして竹の皮を開けると、昆布で包まれた寿司の太く長い姿が。それを食べやすい大きさに切る。すると、むっちりとした肉厚の鯖、そして光拓のある酢飯があらわれ、食欲をそそるのだ。味の良さは言わずもがな。昆布、鯖、酢飯のどれが欠けても、このおいしさは出ないのではないか。一見単純なようで、丁寧に手間暇かけて調理された食材の調和の妙が楽しめる。

昆布は北海道・道南の産。鯖は厳冬期に日本海沖で獲れる天然サバで、酢飯は地元米のヤマヒカリ。調理は全て、丁寧な手作業によるものらしい。

 吾佐衛門寿しは江戸時代、米子の回船問屋を経営していた米屋吾佐衛門の妻が考案した船子たちのための弁当だった。鯖を酢飯の乗せ、それをワカメで包んでいたようだ。それが現代では、ワカメの代わりに昆布が使われ、味が洗練され、船子ではなく旅人や多く人たちに口福をもたらしている。私がはじめて食べた20年以上前は“知る人ぞ知る”駅弁だったが、全国的に有名になった今では土産物、贈答品としての需要がずっと多い。

 吾佐衛門寿しを製造・販売している『株式会社 米吾』は、ホームページで通信販売も行っている。また、47NEWSの兄弟サイト「47CLUB」からも購入できる。都内では有名デパートでも購入できるようだ。鯖を使った定番の他にも、鱒や蟹、あるいは鯖をスモークして洋風の味付けをしたバージョンもある。私は定番の鯖を通販で注文することにした。仕事が休みの日に、一杯やりながら吾佐衛門寿しを味わうのは最高の贅沢だ。次回は蟹バージョンに挑戦してみよう。

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YokohamaのSue-Chan |2008/07/21|13:22| コメント (1) | コメントを書く


お店情報

地図はありません。
値段1,470円から

<オススメ>米屋 吾佐衛門寿司(鳥取県米子市)


株式会社 米吾ホームページ■http://www.komego.co.jp/gozaemon/


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