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上品、絶品「備前ばらずし」

2008/03/24

岡山

迫力ある4人前の大皿盛り

ラブ度: ★★★★★

 

 
やや高 ヘルシー 上品

「ばらずし」という岡山名物の郷土料理がある。岡山の駅弁では「祭りずし」として知られ、一見するとちらしずしのように思われる。しかし、「にぎり」のねたをそのまま使うちらしずしとは異なり、後で説明するように、ばらずしは、具に対する手間のかけ方や使う量が比較にならないほど多い。

ばらずしに関する話として有名なのは、かつて江戸時代初期に、岡山藩主・池田光政の倹約令に反発した人々が、具を重箱の底に敷き詰め、表向きは質素さを装ったというものだ。重箱を別の器にひっくり返すと、多くの具が現れるという仕掛けである。

また、「すし一升、金一両」との言葉があり、岡山のばらずしは一両の銭も惜しまずつくったと言われている。こんなぜいたく品になったのは、江戸時代の中期以降だという。

さて、ここで紹介する福寿司本店の「備前ばらずし」は、この江戸時代の伝統の味を伝えるものだ。店主の窪田清一さん(70)が、一般家庭に出向いて“取材” したり、文献を調べるなどして再現させている。かつては慶事があれば一般家庭でもつくられ、「おばあちゃんの味」だったはずだが、現在ではあまり見られなくなっている。ばらずしを「幻のおすし」にしたくないという情熱が、窪田さんを駆り立てている。

barazushi_02.jpg使う具材は、サワラ、ハモ、エビ、アナゴ、モガイなど十数種類の海の幸、レンコン、ニンジン、タケノコ、シイタケなど三十数種類の山野の幸。赤、黄、緑、黒など色とりどりである。根菜類はサワラのあらの煮汁で煮切るなど、それぞれの具材にも工夫を加える。ごはんには、サワラを絞めた漬け酢を振り込んで味を調える。酢合わせや具を混ぜる温度も別々に調整―などなど手間暇かけての調理となる。下処理も含めると、全部でまる2日はかかるという。

その味は、一言でいえば上品である。激辛ものを好んだりインスタント食品に慣れた方々には理解しづらいかもしれない。食べるほどにじんわりと酢飯の風味が口中に広がり、具のひとつひとつがアクセントとなって、味わいを醸し出していく。これぞ絶品。女性なら2~3人分はありそうな一人前の量だが、一気にたいらげてしまった。昔の人の舌はこういうデリケートな味を好み、したがってそれを感じ取る味覚の力を持っていたのだと、あらためて納得した。

郷土料理研究家であり、「岡山の備前ばらずし」(日本文教出版社刊)という著書もある窪田さんの言葉を借りれば、ばらずしは「日本の食材、料理法のオンパレード」であり、栄養面からも「宇宙食にしたいほどの逸品」だ。窪田さんは、求めに応じて講演に出掛けるなど、本来のばらずしを一般家庭に普及させる努力もしている。

一人前2520円(消費税込み)。一日20食限定で予約を受け付けている。折り箱に詰めての持ち帰りも可能。

お値段は少々高めだが、味・外観・具材の豊富さが、それにふさわしい“品格”を備えていると言えるだろう。

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P.A.@岡山 |2008/03/24|08:30| コメント (3) | コメントを書く


お店情報

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店名福寿司本店


住所岡山市奉還町2丁目16―17
定休日毎週月曜日
連絡先086―252―2402
値段2520円

<オススメ>備前ばらずし


ホームページ■ http://www.bco.jp/fukuzushi/index.html


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