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真冬の太平洋を食す

2007/06/11

宮城

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ラブ度: ★★★★

 

 
土着風 寒い季節に 懐かしの味

 「二つのホッキ飯」で「砂浜にホッキ貝がたくさん打ち寄せられ」た、という文章を読み、今から30年も前の光景を思い出した。ずっと忘れていた記憶なのに、なんとも不思議なことだ。

 青森県三沢市の淋代(さびしろ)海岸。真冬の嵐が過ぎ去った朝の砂浜に、アサリよりもやや大型の二枚貝がたくさん打ち寄せられていた。その貝の正確な名前はうかつにも、今も知らない。地元の人が「なみうちがい」と教えてくれた。「浪打ち貝」なのだろうが、自信はない。何しろ当時、地元の子どもたちが「ジャッコ」と呼ぶ魚があり、その魚の本当の名かとずっと思っていたことがある。あれは「川魚」の方言あるいは「ザコ(雑魚)」だったのではないか。

 ともあれ「浪打ち貝」の話。地元に伝わる最もおいしい調理法を特別に公開したい。その調理法を伝授してくれた友は「絶対に人には教えるな」と言っていた。しかし、30年もたっていることだし、もういいだろう。

 この調理にはどうしても欠かせないものがある。厳しい冬の寒さと、その上でスルメを焼けるストーブ。外にはこんもりと雪が積もっていればなおいい。温暖な冬しか経験できないみなさんには申し訳ないが「浪打ち貝」を食べることはできない。

 調理手順その1
 ストーブをどんどん熱くする。

 調理手順その2
 ストーブの上に浪打ち貝を並べる。3個ぐらいがちょうどいい。

 調理手順その3
 しばらくすると浪打ち貝がみじろぎを始める。熱いのだ。プルプルと。しかし、目をそらしてはいけない。微妙なタイミングが必要なのだ。数十秒たつと、ついに耐え切れなくなり、貝が開く。パッと音がするかもしれないが、人間の耳には聞こえない可能性がある。音が聞こえても、聞こえなくとも、すかさずしょうゆをたらす。「ジュッ」。貝殻からしょうゆが少しあふれてこげるぐらいがちょうどいい。実をつまんで口に入れてみる。真冬の太平洋がじっくり育てた滋味を、しょうゆがスキッと引き立ててくれる。ごちそうさま。

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ふらっとS@宮城 |2007/06/11|11:14| コメント (4) | コメントを書く


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