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コラム

「目標はあくまで日本一」 京大復活のキーマン、DB深堀遼太郎

2017/05/16 【宍戸博昭】

5月13日、アミノバイタルフィールドでの東大との定期戦で自慢のスピードを披露した京大DB深堀=撮影:seesway
5月13日、アミノバイタルフィールドでの東大との定期戦で自慢のスピードを披露した京大DB深堀=撮影:seesway

5月13日、アミノバイタルフィールドでの東大との定期戦で自慢のスピードを披露した京大DB深堀=撮影:seesway

 自慢のスピードを生かして、その選手は常にボールのそばにいた。
 京大の2017年度副将DB深堀遼太郎。かつて「ギャングスターズ」で活躍し、現在日本社会人アメリカンフットボール協会の理事長を務める深堀理一郎さんの長男である。


 5月13日、東京・アミノバイタルフィールドで行われた春恒例の東大との定期戦。ナンバー「31」は、ディフェンスのリーダーとしてフィールドに立っていた。
 ポジションは5人目のDB「ニッケルバック」。「役割はアウトサイドラインバッカー(OLB)に近い。スピードのあるOLBが必要というチームの方針で、適性も加味してそのポジションでプレーしている」。雨中で35―0と圧勝した定期戦の後、深堀はそう説明してくれた。


 理一郎さんの赴任先のニューヨークで生まれ4歳まで過ごした。東京の小学校では水泳とサッカー、中学校では剣道をしていた。
 都立国立高校では陸上部に所属。専門は短距離で、100メートルのベストタイムは10秒8である。


 京大時代RB、LB、DE、SFなどさまざまなポジションをこなした万能選手の理一郎さんは、当時のカリスマ監督・水野彌一さんが絶大な信頼を寄せ「一度も怒られなかった選手」として知られている。


 アスリートとしての遺伝子を引き継いだ息子は「父からは、京大に行けとかフットボールをやれと言われたことはない。高二の進学先を決める時期に、父親の学生時代のビデオを見て自分もと思った」という。


 2年生の時から試合に出場している深堀は言う。「ここ数年、チームは人材もそろって戦術面も充実していたが、関西の上位校に勝てなかった。今年は一人一人がいかに本気でやるかにかかっている。ファンダメンタルを鍛えてミーティングを重ねて、関学や立命を凌駕したい」


 過去学生王者に6度、日本一に4度輝いた京大。栄光の歴史を振り返ると、ともすれば戦術面に目を奪われがちだが、実は高度な戦術を高度なレベルで実行できる人材を、ハードワークで育成してきたというのが正しい認識だ。
 優秀なアスリートの確保という面では決して恵まれているとはいえない環境で選手を猛練習で鍛え上げ、フィジカルでライバル校を圧倒してきた。京大というチームの魅力はそこにある。


 「今年のギャングスターズは、ひと言で言うと『泥臭いチーム』。個人技で上回るのではなく、全員でしのいで勝つ」
 檜舞台から遠のいて久しい京大が復活するためのキーワードは「泥臭く勝つこと」と深堀は言う。


 チームを率いて6年目を迎えた西村大介監督は、期待を込めてこう語る。「深堀は、ポテンシャルは高いのに鈍くさいプレーも多い。気持ちの部分だけでなく、高い身体能力をプレーで表現してほしい」


 「京大が強くないと、学生フットボール界が盛り上がらないという声はよく聞く。関学はライバルというより、だいぶ遠い存在になってしまったが、目標はあくまで日本一」と、深堀は秋を見据える。


 京大といえば、相手が震え上がる「ハードタックル」がチームのハート&ソウルである。
 178センチ、82キロ。ギャングスターズ復活の鍵を握る男は、親子二代での甲子園ボウル出場という夢の実現に向けて、日々の練習に魂を込める。(敬称略)


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