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コラム

ハイズマン賞はオレゴン大QBマリオッタ ローズでウィンストンと対決へ

2014/12/17 【丹生恭治】

ハイズマン賞に選ばれたオレゴン大のQBマリオッタ(AP=共同)
ハイズマン賞に選ばれたオレゴン大のQBマリオッタ(AP=共同)

ハイズマン賞に選ばれたオレゴン大のQBマリオッタ(AP=共同)

 シーズン末恒例のボウルゲームの顔ぶれが出そろった。大々的に取り上げている大学選手権の決勝戦を加えて、全部で39試合ある。
 全米大学体育協会(NCAA)のフットボール・ボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)に格付けされる128校の内の76校が出場する。割合にすると59%、全体の6割に近いチームが、このシーズン末の「ご褒美」にあずかることになる。
 多すぎないか、との声も出てくる。需要があるのだから一向に差し支えないではないか、との声も上がる。にぎやかな年末である。


 そこで、と改まるほどのことはないが、少し昔からの話をしたい。
 日本でボウルゲームという言葉ができ、それが持っている意味がほぼ正確に伝えられたのは、戦後すぐからだった。何も不思議ではない。昭和22年(1947年)、まず甲子園ボウルが生まれ、次いで昭和23年の正月にライスボウルが誕生。世の人々が「ボウルって何だ?」という問いを発すると、即座に目の前の「甲子園ボウル」と「ライスボウル」を指さして「こういう特別な試合のことだ」と返答できた。


 定義はそれなりにできるが、小難しいことを言っても一般のファンにはなかなか理解できない。しかし、目の前で東西の優勝校が戦い、花形選手を選りすぐったチーム同士が対戦するのを見ると、普通のリーグ戦と違うことなどすぐ理解できよう。
 なぜボウルというのか、くらいは関係者なら簡単に説明できる。米国の競技場が、サラダボウルやフィンガーボウルに似た「すり鉢状」の形をしているから、という説明で十分だろう。それ以上付け加えることはそんなにない。


 品物とか、行事の名がついているのはなぜ、と聞かれれば、地元の名物、特産品、催しの名をつけるのが向こうの習慣で、日本もそれに倣った、で正解である。ここだけの話だが、フットボールの関係者の中には、結構話を難しくする人がいる。
 ま、これはフットボールに限らず、ほかのスポーツでもそうした傾向の方がいらっしゃるが、権威主義もほどほどがいい。


 特に4ダウン10ヤードを、同伴のご婦人に山ほどの例示しながら、くどくど説明されている方がおられるが、これなどは攻守が決まっている競技なので、交替が必要。その交代のルールなのだ。野球にもあるでしょう、と一本釘を刺してから説明した方がいい。
 とりわけその昔、私がまだ駆け出しの記者だったころ、「フットボールはルールが難しくてなかなか理解できない(記者の)方が多いので、試合後の記者会見は両チームの監督おそろいでやっていただきます。私どもが言葉の解説をしてあげねばならないからです」という理由をつけて、ライスボウルの試合後、ひな壇をつくり、各社の記者に集合をかけて大々的な「記者会見」をしていたものだ。


 もちろん今日では(出たことがないので実情を知らないが)こんなバカげた「会見」などはやっていないと思う。かつてはスポーツ記者仲間から「アメリカンフットボールだけだな。試合後にあんな記者会見をするのは。敵将の前でほんとのこと言うわけはないではないか」と笑いものにされた屈辱が今も記憶に残る。いかんいかん。話が横道にそれた。本題に戻る。


 米国でのボウルゲームは、甲子園、ライス両ボウルのおかげで、すぐ誰もが理解できた。1902年、カリフォルニア州パサデナで、地元の重要な催しのバラの品評会の余興として始まった大学フットボールの試合が、やがて「ローズボウル」と名付けられて定着した後、30年代半ばにフロリダ州マイアミで「オレンジボウル」、ルイジアナ州ニューオーリンズで「シュガーボウル」、テキサス州ダラスで「コットンボウル」と高名なボウルゲームが続々と誕生した。


 しかし私が折に触れて、ボウルゲームという楽しい催しがあるんですよ、とフットボールの専門誌「タッチダウン」に書き始めたころ、今日のように山ほどのボウルゲームはなかった。
 先に述べた4大ボウルのほか、テキサス州エルパソの「サンボウル」、フロリダ州ジャクソンビルの「ゲーターボウル」、フロリダ州オーランドの「タンジェリンボウル」(現キャピタルワンボウル)、テネシー州メンフィスの「リバティボウル」、ジョージア州アトランタの「ピーチボウル」が主なボウルゲームだった。


 そして初めての海外出張でアリゾナ州へ出かけたとき、現地でアリゾナ州立大の新人コーチで日系2世の方に紹介され、その方が誇らしげに、今年からここでもボウルゲームが始まるんだ、といわれたのを思い出す。
 「ここ」というのはアリゾナ州立大の大スタジアムのことで、ボウルゲームの名は「フィエスタボウル」だった。以後70年代後半から、ボウルゲームは毎年のように増え続け、先ほど述べた数に達した。
全部書くとカタカナばかり並び、いただいているスペースがみんな埋ってしまう。昨年書いたが、そんなわけで残りの20幾つの名称などは、すべて割愛する。ご安心願いたい。


 終わりに出場校数をリーグ別にまとめてみる。最も多いのは? クイズめくがこれは問題にはならない。ご存知の通り南東リーグ(SEC)で12校を数える。選手権ランキング1位のアラバマ大をはじめ、ランク校が7校に達するのだから当然といえる。
 ここではレギュラーシーズンで6勝6敗の勝率5割をキープすれば、ボウルゲームはまず間違いなしといえる組織である。2番目に多いのは? これはクイズになる。


 古豪ひしめくビッグ10(Big10)や太平洋12大学(Pac12)をしり目に、大西洋岸リーグ(ACC)は11校を送り出した。北カロライナ大やフロリダのマイアミ大など、6勝6敗でレギュラーシーズンを終えたチームが4校あって、招く側がどれを切り落とすか、迷ったのではないかという感じがある。


 3番手はBig10で、10校が選ばれた。Pac12の8校が続く。次いでビッグ12(Big12)と、山岳西部連盟がともに7校。アメリカン体育連盟(AAC)、USA連盟(CUSA)、中部アメリカン連盟(MAC)がいずれも5校。サンベルト連盟(SBC)と独立校からは各3校となっている。


 SBCではジョージアサザン大がリーグ戦で8戦全勝と優勝を決め、全体でも9勝3敗の好成績を残した。しかし、今季はNCAAの制裁下にあって、ボウルゲーム出場はならなかった。
 また「ポインセチアボウル」でサンディエゴ州立大との対戦が決まっている海軍士官学校は13日、NCAAのレギュラーシーズンの全日程の最後を飾る陸軍士官学校との伝統の一戦に臨み17―10で陸軍に13連勝。今季の通算成績を7勝5敗としてボウルゲームに臨むこととなった。


 がらりと話題を変える。いつまでもボウルゲームの話にかまけていては、この時期として、必ずお伝えせねばならないニュースが飛んでしまう。2014年度の全米最優秀選手賞「ハイズマントロフィー」受賞者の紹介である。
 略して「ハイズマン賞」とするが、2014年度はオレゴン大のQBマーカス・マリオッタ(3年生)が選出された。同校の選手として初めての受賞となる。またハワイ生まれの選手としても初の受賞という。


 マリオッタはこのほか歴史に満ちた「カレッジオブジイヤー」のマクスウェル賞。ウォルター・キャンプ全米プレーヤーオブジイヤー賞に輝き、さらに全米QB賞のダベイ・オブライエン賞。ジョニー・ユナイタス黄金の腕賞といった、QBを対象にした数々の賞を獲得した。
 マリオッタには全投票数の88.1%に当たる788の1位票が投じられた。
 マリオッタは今季のパスレーティングで全米1位の186.2をマーク。トータルオフェンスでは同5位の平均342.5ヤードを記録した。


 またパスで38本のTDをマーク。自らのランで14TD。さらにレシーブでも1TDを挙げて合計53TD。Pac12でのリーグ記録を更新した。
 テンポの速いオレゴン大の攻撃の軸であることは言うまでもない。なお昨年の受賞者、フロリダ州立大のQBジェーミス・ウィンストンとは、1月1日のローズボウルでの対決が待っており、早くも全米の話題となっている。


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