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コラム

大舞台の経験でペイトリオッツ有利 第51回スーパーボウル

2017/01/31 【生沢浩】

スーパーボウルで対決するペイトリオッツのQBブレイディ(左)とファルコンズのQBライアン(AP=共同)
スーパーボウルで対決するペイトリオッツのQBブレイディ(左)とファルコンズのQBライアン(AP=共同)

スーパーボウルで対決するペイトリオッツのQBブレイディ(左)とファルコンズのQBライアン(AP=共同)

 NFLの王者を決める第51回スーパーボウルで顔を合わせるアトランタ・ファルコンズ(NFC優勝)とニューイングランド・ペイトリオッツ(AFC優勝)は実に対照的だ。
 既に何度も紹介されているが、ファルコンズはNFLトップの得点力(1試合平均33.8点)を誇り、ペイトリオッツは1試合平均失点が15・6と最も少ない。ファルコンズオフェンス対ペイトリオッツディフェンスというマッチアップが話題を呼ぶ理由だ。


 これは試合のオープニングドライブにも表れている。ファルコンズはレギュラーシーズン中に、8試合連続で最初のポゼッションでTDをマークするというNFL記録を打ち立てた。
 一方のペイトリオッツはシーズンを通して1回しかオープニングドライブでのTDを奪われていない。さらに言うと、ペイトリオッツは第12週のジェッツ戦の第4Qを最後に相手にリードを許していない。


 2カ月以上にわたってビハインドの展開を経験していないのだ。これは驚異的だが、裏を返せば相手に先制されると焦りにもつながりかねない。これは先手必勝型のファルコンズに有利なデータかもしれない。


 スーパーボウル経験では圧倒的にペイトリオッツが有利だ。チームとしてもNFL最多9回目の出場となるだけでなく、ほとんどの選手が2年前の優勝を経験している。
 18年ぶり2度目となるファルコンズにはTEジェイコブ・タミー(故障者リスト入り)やOLBコートニー・アップショーなどごくわずかしかスーパーボウル経験者がいない。


 スーパーボウルを前にした1週間はメディア攻勢が続き、他と比較にならないほど世間の注目が集まる。日に日に高まるプレッシャーとともに選手は疲弊してしまうものだ。
 こうした体験を経ている選手とそうでない選手では差が出てしまうのは無理もない。


 ただ、ファルコンズのダン・クィンHCは2年前にシーホークスの守備コーディネーターとしてこの舞台でペイトリオッツと対戦した経験がある。スーパーボウルウイークの過ごし方を理解している点は好材料だ。


 さて、試合の見どころだが、ファルコンズの魅力はビッグプレーの飛び出すオフェンスに尽きる。QBマット・ライアンは今季69.9%のパス成功率を記録し、NFL最多の38TDパスを成功させた。 スーパーボウル前日に発表されるリーグMVPの最有力候補だ。


 そのメインターゲットとなるのがWRフリオ・ジョーンズである。シーズン中には83回のパスキャッチで1409ヤードを稼いだ。
 左足親指に故障を抱えているが、NFC決勝のパッカーズ戦では180ヤード、2TDの活躍を見せた。191センチ、99キロのサイズはセカンダリーとのミスマッチを生み、パワフルなランアフターキャッチはペイトリオッツが最も警戒しなければいけないプレーだ。


 ラン攻撃も強力で、デボンテ・フリーマンとテビン・コールマンの二人のRBを併用するスタイルで試合終盤までコンスタントに距離を稼ぐ。多彩な攻撃スタイルを持つのでドライブが継続しやすいのがファルコンズオフェンスの特徴だ。
 ライアンはパスターゲットが見つからない時はすぐにセーフティーバルブに切り替えて少しでもボールを前に進めようとするので、QBサックや被インターセプトが少ない。そして、チャンスを見つければどのフィールドポジションからでもロングパスを狙っていくだけの肩の強さと判断力を持つ。


 これに対抗するペイトリオッツディフェンスはジョーンズを徹底的にマークするだろう。セーフティー二人をディープゾーンに残しておく「カバー2」をベースにビッグプレーを阻止して、ファルコンズの攻撃力を弱めたい。


 鍵を握るのはミドルゾーンの守備だ。Sデビン・マコーティとパトリック・チャンまたはデュロン・ハーモンがディープを守ることになれば、浅いゾーンをCBマルコム・バトラー、ローガン・ライアン、LBドンテ・ハイタワー、ロブ・ニンコビッチらが固めることになる。
 このゾーンに対するクロッシングパスルートやランで距離を許さないことが重要だ。


 ペイトリオッツのオフェンスはQBトム・ブレイディと複数のレシーバーが守備のシームゾーンを巧みに突くことでゲインを重ねる。
 特にWRジュリアン・エデルマンやAFC決勝で大活躍したクリス・ホーガンらは相手ディフェンスをよく研究しており、十分な時間さえあればオープンスペースを見つけるのがうまい。そこにブレイディがタイミングよくパスを投げ込むことでじわじわとドライブしていくのだ。


 中央の密集帯ではTEマーテラス・ベネットが有効だ。また、大型RBルギャレット・ブラントのパワフルなランも大きな武器で、今季は18TDを記録している。


 ファルコンズ守備はランキングこそ25位と振るわないが、ゴール前でのディフェンスは堅い。いわゆる、「bend but don’t break(曲がっても折れるな)」タイプで距離は与えるものの得点は許さないディフェンスだ。
 1、2年目の選手が8人もいる若い布陣だが、リーグ最多の15.5サックをマークしたOLBビック・ビーズリー、NFC決勝でファンブルフォースとリカバーで流れを変えたCBジェイレン・コリンズ、インサイドラッシュの強いDTラシェド・ヘイグマンなどビッグプレーメーカーは多い。


 コンスタントなパスラッシュで、ブレイディにプレッシャーをかけ続けることがファルコンズディフェンスの課題だ。
 両チームともに得点力の高いオフェンスを持つだけに点の取り合いになるとの期待はあるが、その反面で一つのドライブに時間をかけることによって意外なロースコアに持ち込まれるのではないかとも予想している。


 過去のスーパーボウルでは、ディフェンスがオフェンスを凌駕するケースが多いという事実や大舞台での経験からやはりペイトリオッツ有利は動かない。24―20でペイトリオッツ優勝とみる。


 試合は現地時間2月5日(日本時間6日)にテキサス州ヒューストンのNRGスタジアムで行われる。キックオフはアメリカ東部時間午後6時半過ぎ(日本時間6日午前8時半過ぎ)の予定。


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