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コラム

【NFL観戦ガイド】① お気に入りのチームを見つけて応援

2014/07/31 【生沢浩】

ピッツバーグ・スティーラーズのQBロスリスバーガー=(AP=共同)
ピッツバーグ・スティーラーズのQBロスリスバーガー=(AP=共同)

ピッツバーグ・スティーラーズのQBロスリスバーガー=(AP=共同)

ワシントン・レッドスキンズのQBロバート・グリフィンⅢ世
ワシントン・レッドスキンズのQBロバート・グリフィンⅢ世

ワシントン・レッドスキンズのQBロバート・グリフィンⅢ世


 NFL各チームはトレーニングキャンプを開始し、9月4日(日本時間5日)のシーズン開幕に向けて準備を本格化している。
 そこで、これを機会に今まであまりNFLには興味がなかった読者の方々にもぜひNFLの面白さを知っていただこうと、当コラムで今回から開幕にかけて「NFL観戦ガイド」をお送りしたい。
 NFL初心者の方は入門編として、よく知っているよとおっしゃる諸兄には今季のプレビューとしてお読みいただければと思う。


 さて、いきなりNFLに関心を持てと言われても困る、という読者も多いだろう。いきなりNFLのリーグ編成の仕組みや歴史を語っても、興味がなければ馬の耳に念仏。そこでお勧めしたいのが、どこか一つ応援するチームを見つけて、シーズンを通して追ってみようという試みだ。
 とは言っても、NFLには全部で32チームあり、どれを選べばいいかわからないという声も当然あるだろう。そこで、いくつかの方法を提案しながらチームのプロフィールも併せて紹介していこう。


 まず、アメリカに住んだことがある、もしくは旅行や留学、ホームステイなどで行ったことがある方には、その地域または周辺のチームが応援しやすいだろう。愛着や馴染みのあるチームは感情移入がしやすい。これはすなわち、地元チームを応援するというアメリカにおけるフットボール観戦の基本中の基本だ。


 「やっぱりニューヨークだよね」という都会派にはニューヨーク・ジャイアンツかニューヨーク・ジェッツという選択肢がある。両チームとも本拠地はお隣のニュージャージー州に置いているのだが、NFLではニューヨークのチームという扱いである。
 ジャイアンツは過去にスーパーボウルを4回制した名門チーム。ブルーを基調としたチームカラーで、中心選手はQBイーライ・マニング、DEジェイソン・ピエールポールら。オフェンスはランとパスをバランスよく駆使するスタイルで、ディフェンスはパスラッシュが得意。


 ジェッツは白とグリーンがチームカラーで、レトロなデザインのヘルメットロゴは根強い人気がある。
 今のNFLでは珍しくラン中心のオフェンスを使い、FAで入団したRBクリス・ジョンソンに注目が集まる。ジョンソンはタイタンズに在籍していた2009年に史上7人目の年間2000ヤードラッシュを達成した韋駄天。新天地でどんな活躍を見せるかに注目が集まる。


 「やっぱり首都のチームじゃなきゃね」という主流派にはワシントン・レッドスキンズだ。レッドスキンズと言えば「RG3」ことQBロバート・グリフィンⅢ世のプレーは見逃せない。
 2012年のNFLデビューでは走りまくるQBとして話題を集めた。そのプレースタイルはダイナミックで、見ているだけで楽しい。残念ながらそのシーズンのプレーオフで膝の靱帯を断裂し、復帰を急ぎすぎた昨年は不調でベンチに下げられもした。
 しかし、新しくHCに就任したジェイ・グルーデンはグリフィンを再び先発QBにすると宣言しており、復活に期待がかかる。


 実は筆者も「地元愛」がファンになるきっかけだった。学生時代にペンシルベニア州ピッツバーグに留学したのがきっかけで、今ではスティーラーズが最も好きなチームである。
 ちなみにスティーラーズは伝統的に堅いディフェンスが看板。今年は大幅な人員入れ替えを行い、若手の投入を図るとともにスピードアップに努めた。その成果やいかに?


 1970年代に日本で起きたNFLブームや80年代の再ブレーク期以来、NFLからはご無沙汰という年配の方も多いだろう。こうした方々には当時強かったドルフィンズ、カウボーイズ、49ersを再び応援するのも面白い。


 特に49ersは90年代半ばから続いた低迷期をようやく脱し、最近3年間はいずれもナショナル・フットボール・カンファレンス(NFC)決勝にまで駒を進めた。一昨年は敗れたが18年ぶりのスーパーボウル出場も果たした。
 黄金時代の再来期にあり、応援し甲斐がある。QBコリン・キャパニックは足の速いQBで、パスもうまい。従来にはないマルチタイプのQBで、カレッジ界ではやったリードオプションを49ersに導入して自在にこなす若きエースだ。ディフェンスも有能なLB陣を中心にリーグ上位にランクされる。


 ドルフィンズは昨年あと1勝でプレーオフを逃した。1972年にはレギュラーシーズンからスーパーボウルまで全試合に勝つ「パーフェクトシーズン」を達成した名門だが、最近5年はプレーオフから遠ざかっている。
 殿堂入りしたダン・マリーノ(199年限りで引退)以降、エースQB不在に泣いてきたが、3年目のライアン・タネヒルはその「冬の時代」に終止符を打つべく存在として期待される。


 カウボーイズは日本でも人気のあるチームの一つだ。「アメリカズチーム」と呼ばれ全米で人気が高いことは以前にこのコラムでも紹介した。過去3年はシーズン最終戦に勝てばプレーオフ出場が決まるという状況でいずれも敗退して悔しい思いをした。
 ドラフト外から這い上がったQBトニー・ロモの雑草のような強さがいよいよ実を結ぶか。


 「どうせ応援するなら強いチームがいい」という安定型にはプレーオフの常連を紹介しよう。鉄板はペイトリオッツだ。不動のエースQBトム・ブレイディが先発に昇格した2001年から昨年まで13シーズンで、プレーオフ出場を逃したのはわずかに2回だけ。スーパーボウルには5回出場し3回優勝している。
 年間16試合のうち12~14勝はするチームなので、負け試合でストレスを感じるという心配はない。


 このペイトリオッツのライバルがブロンコスだ。昨年のアメリカン・フットボール・カンファレンス(AFC)優勝チームで、スーパーボウルではシーホークスに大敗したが、そのオフェンスは史上最大規模の破壊力を持つ。
 QBペイトン・マニングは針の穴も通すようなコントロールの持ち主で、並みのレシーバーを一流に育ててしまう力を持つ。
 前述したジャイアンツのイーライ・マニングの実兄だ。ちなみにこの二人の直接対決は過去に3回あり、兄ペイトンがいずれも勝利。しかし、スーパーボウル優勝回数はイーライが2回で兄の1回を上回る。


 そのブロンコスを完膚なきまでに叩き潰したディフェンスを持つのがシーホークスだ。サイズの大きいDB陣の鉄壁なパス守備が最大の武器で、どんなスタイルのオフェンスも封じ込めてしまう。個々の選手がとてもフィジカルで、迫力あるプレーを展開する。


 60年代のチームとして知られるパッカーズも現在ではプレーオフに毎年のように出場する。QBアーロン・ロジャースはリーグでも5指に入る好パサー。面白いようにパスの通るオフェンスが好きなファンにはたまらない。


 セインツのドルー・ブリーズも自在にパスを操るQBだ。身長は183センチと小柄なのだが、運動能力が高く視野も広いので素早いリリースから正確なパスを投げることができる。有能なレシーバー陣にも恵まれており、常に高得点が期待できるオフェンスだ。


 「いやいや、日本人なら判官びいき。弱いチームの成長を見守ってこそのファンでしょ」という辛抱強い人はビルズやレイダーズ、ブラウンズを追いかけてみてはどうか。
 ビルズは1999年シーズンを最後に15年もの長い間プレーオフから見放されている。これは現在のNFLでは最も長い。それだけに、プレーオフ出場を達成した時の喜びはひとしおだ。
 これはレイダーズとジャガーズも同じこと。レイダーズとブラウンズはともに2002年を最後にポストシーズンを経験していない。


 もっとも、こうした低迷期にあるチームはテレビ放映があまりないというリスクもある。日本でのNFL中継は、どうしても強いチームや人気球団が中心になる。せっかく興味を持ってもテレビで見られないというジレンマがあるかもしれない。
 すべてのチームを紹介したわけではないが、何らかのヒントは提示できたのではないだろうか。さて、注目するチームは決まった。では、次は何に関心を持ってNFLを見たらいいのだろうか。それは次回の当コラムで。


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