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第89回 天皇杯全日本サッカー選手権大会

  • チーム紹介(都道府県・大学代表)

栃木県

 天皇杯初出場を果たした「ヴェルフェたかはら那須」は、栃木県矢板市に本拠を置く関東サッカーリーグ2部所属のクラブチーム。前身は1978年に創部し、関東リーグ1部で活躍した「矢板SC」だ。
 2部降格をきっかけに、昨年チーム名を改称。緑豊かな同市で地域に根ざしたクラブとしてスポーツを広め、地域発展に貢献しようと、「緑の(vert)」「妖精(fee)」という仏語に運営母体のNPO法人「たかはら那須スポーツクラブ」の名称をを組み合わせた。
 JFL昇格を目指し、リーグ優勝・1部復帰を目標に掲げた新チーム。しかし、JFL時代の栃木SC選手を数多く受け入れた昨季は、旧チーム選手との連携がうまく取れず、リーグ順位は3位止まりとなった。
 若手の新戦力を加え十分な準備期間を経て臨んだ今季は、序盤から4連勝と好調な滑り出し。その後も順調に勝ち星を重ね、最終節を待たずにリーグ優勝と来季の1部昇格が決定。その勢いに乗り、天皇杯県予選で初優勝を飾った。
 システムは4・4・2。アグレッシブな攻撃が特徴で、かつて栃木SCで活躍した総監督兼任MF堀田利明とMF種倉寛の両ベテランが攻守の要。高い位置でボールを奪うと素早く両サイドへ展開する。
 攻撃の核は本田洋一郎と高秀賢史の2トップ。それぞれリーグ得点ランキング1位と4位を走るストライカーで、動き出しの早さとドリブル突破に定評がある。貪欲にゴールを狙う意識が強く、ペナルティーエリア付近では相手にとって嫌な存在となりそう。さらにMF菊地洋平がサイドから切り込み2トップをサポート。ほかのMFとともにゴール前での攻撃に厚みを加えている。
 また、攻撃陣はクロスの精度が高い堀田との相性も抜群で、セットプレーは大きな武器だ。
 最終ラインはDF高野修栄主将を中心によく統率されており、穴は少ない。また、ゴールマウスを守るGK星昭仁は、JFLでの経験を生かし的確なコーチングと反射神経の良さを披露。試合では、数々のピンチを救ってきた。
 天皇杯は初挑戦だが、2006年に東京Vを破り、清水を4|6と苦しめた当時の栃木SC出身選手もおり、チームの士気は高い。ピッチを華麗に舞う「緑の妖精」が、全国にその名をとどろかせてくれるはずだ。

(下野新聞)