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村田、48年ぶりの王座に ボクシング・ミドル級決勝

2012/08/12 10:12

村田、48年ぶりの王座に ボクシング・ミドル級決勝

男子ミドル級で獲得した金メダルを胸に引き揚げる村田諒太=エクセル(共同)

 村田諒太が追い上げるファルカン(ブラジル)を突き放し、東京五輪の桜井孝雄(バンタム級)以来の日本人チャンピオンとなった。「打たせずに勝つ」テクニシャンだった先人とは対照的に、強打に自信を持ち強気に攻める王者の誕生だった。

 ▽実った先制攻撃
 いつものように笑顔で入場した村田は、前へ前へと出てボディブローを軸にパンチを繰り出し、第1ラウンドを5-3でリードした。第2ラウンド、今度はファルカンの攻勢が目立ち5-4と盛り返した。そして激しい強打の応酬でスリリングな展開となった最終ラウンド。ボディー攻撃を受けたダメージからか、ホールディングを繰り返したファルカンが減点を受けた。結果的にはこれが明暗を分けた。ポイント合計で14-13と、村田の勝利となった。準々決勝、準決勝と逆転で勝ち抜いてきた村田だが、最後の舞台は先制攻撃が功を奏した試合となった。

 ▽世界2位から王者に
 体重69キロから75キロまでのパワーとスピードを兼ね備えた猛者が集うこの階級。テクニックをよりどころにするのが一般的な日本選手には不利と思われがちだが、村田は昨年の世界選手権で2位になった。得た自信が絶大にものをいう。山根チームリーダーはこの大会後の村田を「試合を重ねるごとにメンタル面が強くなった。今が一番いい状態」と評していた。今大会の初戦で世界選手権者のフイトロフ(ウクライナ)が姿を消した。その瞬間に村田は優勝候補の筆頭にのし上がったが、重圧に屈する弱さはなかった。

 ▽僕に才能があった
 北京五輪の代表を目指していたが果たせずに引退。再び夢に挑戦するため2009年秋に復帰してからの猛練習が見事に実った。表彰式後の記者会見で、顔を腫らした村田は「僕に才能があって金メダルが取れたと思うし、周りにも支えられた。神様も味方してくれた」と胸を張り、「金メダルは狙っていた。夢じゃなく目標だった」と続けた。こんなヒーローに日本アマチュアボクシング連盟の山根会長は「あのツッパリがいい意味でツッパリを出してくれた。これを機会に人間的にさらに成長してほしい」との言葉をおくった。

 バンタム級で44年ぶりの銅メダルを取った清水聡に次いで48年ぶりの王者誕生。村田はロンドンで日本ボクシングの歴史にとてつもなく偉大な足跡を残した。

(47NEWS 岡本彰)