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長野県の農家で高原野菜や花を手がける中国人研修生の張博さん=2月22日、長野県佐久市
北に浅間山、南に八ケ岳を望む長野県の佐久地域は、レタスや白菜など高原野菜の産地として知られる。花の生産や酪農と合わせ「研修生」「技能実習生」として受け入れる中国人は年間1000人超。過疎化、高齢化で後継者不足に悩む農村地帯に溶け込んでいる。
「農業技術が高い日本に行きたかった」。遼寧省の張博さん(23)は昨年7月から、研修生として佐久市の農家に来ている。実家は米とトウモロコシの農家で、中学卒業後は家業を手伝い、冬の農閑期は近くの街へアルバイトに出ていた。
「中国の農業は体力仕事だが、日本は機械化が進んでいる。そのせいか少し太った」とはにかむ張さん。ビニールハウスでカーネーションの苗1本1本に手をかけながら「日本の農業は丁寧で繊細。規格や管理が行き届き、素晴らしい」と話す。作業中もメモを取り、農業と日本語の習得を怠らない。
受け入れ農家が借りたアパートで、別の中国人と相部屋生活。月8万5000円の研修費を受け取り、3食とも自炊で賄う。
昨年1月に結婚。作業を終えると毎晩、国際電話でラブコールする。1年間の研修を修了すると、最長2年間の技能実習生になれるが「できるなら日本でずっと暮らしたい。夫とは年に数回会えるだけで十分」と話す。
日本最大のレタス産地、川上村は人口約4700人。昨年はこの村に、約570人の中国人研修生が訪れた。以前は収穫期に約千人の学生らがアルバイトに来たこともあったが、村の担当者は「今や高原野菜の安定供給に中国人研修生は欠かせない」と話す。
農業のほか、金属機械、繊維といった製造業などの研修で来日した外国人は全国で約8万3000人(2005年)。中国人は約5万5000人を占めた。「技術継承」や「国際貢献」が本来の目的だが、中国人には「出稼ぎ」の側面があり、日本側は「安価な労働力」ととらえているとも指摘される。研修費の未払いや研修生の失踪(しっそう)などのトラブルもあるという。
「中国人の研修生らは帰国後、日本に食料を供給する立場になる。学んだ技術を生かし日本の『食の安全』を支える」。張さんを受け入れた佐久アグリネット協同組合の畑吉次郎(はた・きちじろう)代表(55)は期待している。