![]() |
||||
五輪開幕まで百日を切った北京では、街の化粧直しが急ピッチで進められている。メンツを重んじるお国柄だけに、各国からの訪問客に、みっともない景観はなるべく見せたくないからだ。
電柱から電柱へ、20―30本もの電線が黒い糸のように張られている。電柱にはスパゲティ状になったケーブルが、いくつもぶら下がっている。市内の道路でちょっと上を見ると、こんな情景がよく目に入る。
使わなくなったケーブルを回収しないまま、次々に新しいケーブルを張った結果だ。市内の電柱約10万本のうち七割はこうした違法配線。電力供給会社が百カ所近い主要道路で、醜く危険な「空中ゴミ」を撤去中だ。
路地の多い城東区では、老朽化した四合院(伝統的民家)の建て替え中。ほこりが立たないようホースで水を掛けながら、作業員が古いれんがやしっくいを取り壊す。「これは百年ほど前の建物。所有権が国にあるから費用はもちろん国の負担さ。五輪に向けた首都の美化は大歓迎だよ」と近所のおじいさん。
てんでんばらばらだった商店の看板を統一規格にする作業や、欠けた敷石や縁石の取り換えも各地で進行中だ。
首都の美化、市民のマナー向上、大気汚染の減少…。「百年来の夢」だった五輪を前に、北京市は山積する課題に取り組んではいるが、積年の弊害は一朝一夕にはぬぐい切れない。とぐろ巻くケーブルはその象徴のように見えた。(北京、共同)