47NEWS >> スポーツ >> 北京五輪特集トップ >> 世界の尊敬集める好機 「瀬戸雄三インタビュー」

世界の尊敬集める好機 「瀬戸雄三インタビュー」

p3.jpg

 国際社会で存在感を増す中国にとって北京五輪はどのような意味を持つのか。日中経済協会副会長も務めるアサヒビールの瀬戸雄三相談役(77)は「中国が世界から尊敬を集めるような国になるチャンスだ」と期待する。ただ成長に伴うひずみが生じており、解決のためにも日中のきずなの強化が必要だと強調した。
 ―五輪を開催する中国に期待することは。
 「中国は五輪で国力を世界に示し、民衆の心を一つにすることを狙っている。ただ行き過ぎた愛国主義に走るのは間違い。観戦マナーを身に付けることなどを通じ、相手の国を尊重する国際感覚を養う場にしてほしい」
 「国際関係でも、自国だけが発展すればいいという考え方は通用しない。環境問題への取り組みも、経済成長の途上だから見逃してくれというのは通用しない。大国としての責務を果たせば、尊敬を集めるだろう」
 ―中国の問題点は。
 「中国は生活水準が上がるにつれて、穀物や石油といった資源を大量に輸入するようになった。そのためにモノの国際相場が高騰して世界経済のバランスが崩れている。輸入に頼っている日本にとっても大きな問題だ」
 ―どうすべきか。
 「中国に力をつけてもらうことが大事だ。例えば中国が農作物の生産効率を上げて自前で作る食料を増やせば、日本も助かる。日本は技術支援を進めるべきだ。アサヒもそのために中国国内で有機栽培など農業事業を始めた。こうした取り組みが増えれば、互いに利益を得る関係をつくることができる」
 ―五輪後の課題は。
 「外に向けてのアピールは進んだが、内面の改革が必要だ。経済成長率を重視する方針から抜け出し、国内の深刻な格差問題の解決を進めることが大事だ」
   ×   ×   
 瀬戸 雄三氏(せと・ゆうぞう)30年生まれ。慶大卒。53年アサヒビール。営業本部長などを経て、92年社長、99年会長。「スーパードライ」をヒットさせビールで45年ぶりにシェア首位を奪還。中国のビール会社への資本参加も進めた。02年から相談役。日韓経済協会会長も務めた。神戸市出身。