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中国の空気は動いている 「井村雅代インタビュー」

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シンクロナイズドスイミングが1984年のロサンゼルス五輪で採用されて以来、日本は毎大会全種目でメダルを獲得してきた。そのすべてにかかわってきた指導者の井村雅代さん(57)は2006年12月に中国のヘッドコーチに就任した。日本のスポーツ界には衝撃が走り、ライバル国を指導することへの批判も出たが、北京五輪で中国シンクロ初のメダルを目指して指導を続ける。

―中国に行って約1年がたった。

「中国に来る前は『4000年の歴史』とか、まがい物とかのイメージもあったけれど全然違う。中国の空気は動いている。若者が動いている。日本の方が駄目ね」

「わたしはきっと今、中国で一番活気のある所にいるし、社会主義的な考えの下でスポーツをしている実感はすごくある。ただ、政治の一番大切なことは国民が安心して生活できること。それは自由主義でも社会主義でも同じ。日本では、みんな何となく将来に不安を感じているじゃないですか。中国の人は不安を持っていない。だからうまく世代が回っている」

―具体的には。

「みんな若い。本当の意味の男女平等がある。結婚した若い女性が働くのは当然。子どもはおじいちゃんとおばあちゃんが育てる。老後の心配がないから、孫のお守りをしながら若い人にノウハウを指導するためボランティアに出ている」

―北京五輪では日本とも戦う。

「教え子は中国の子も日本の子も一緒。そんなことよりシンクロの新しい歴史をつくりたい。だからメダルを取りたい。日本をやっつける、などと考えている人はせこい。北京では五輪があるから交通整理や整列乗車、街の美化にも一生懸命。全部そっちを向いている。日本が燃えるものを共有していない今、ぜひ五輪は(招致している)東京に、日本に来てほしい」

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井村 雅代さん(いむら・まさよ)50年大阪市出身。天理大卒業後、中学教諭を経てシンクロのコーチとなり、85年に井村シンクロクラブを設立。日本代表は78年から、五輪では04年アテネまで6大会連続で指導し、奥野史子(おくの・ふみこ)、立花美哉(たちばな・みや)、武田美保(たけだ・みほ)らのメダリストを育てた。