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「ケニア生まれの日本育ち」、ワンジル快勝  男子マラソン 日本勢は完敗

 陸上競技を締めくくる男子マラソンはサムエル・ワンジル(ケニア)が2時間6分32秒の五輪新で優勝した。レースは「速い展開は予想していた」という日本の尾方剛(中国電力)の覚悟をはるかに上回るハイペースで進んだ。10キロ地点で早くも先頭集団と尾方の差は約1分も開いていた。終始、先頭集団をキープしたワンジルは37キロ過ぎで抜け出して独走態勢に入り、悠々テープを切った。
ゴール後のワンジル

 21歳のワンジルはケニアから高校駅伝の強豪、仙台育英高に留学して活躍。さらについ最近までトヨタ自動車九州で、バルセロナ五輪の銀メダリスト、森下広一監督の指導の下、豊かな素質に磨きをかけてきた。初マラソンとなった昨年12月の福岡国際で優勝。今年4月のロンドンマラソンは世界歴代5位の好タイムで2位となり、強豪ぞろいのケニア代表の座を射止めた。

 マラソン・レースわずか3度目での金メダル獲得に、ワンジルは「とてもいい気分。走りながら、ケニアの優勝は初めてだから、すごいなと思っていた」と茶目っ気たっぷりに勝利宣言。日本の厳しい長距離走者育成システムの中で力をつけたことは意識している。「きつくても我慢することを覚えた。今日は我慢ができた。森下さんが、優勝してほしいと言ってくれていた。(森下さん)ありがとう」と感謝の言葉を口にした。
聖火とワンジル

 日本勢は完敗宣言するしかなかった。13位にとどまった尾方は「勝負にならなかったというのが実感」と言い、76位の佐藤敦之(中国電力)は「力を出し切れずに終わって残念。それでも走りきれたのでよかった」とがっくり。大崎悟史(NTT西日本)は左脚股(こ)関節の故障のため欠場した。

【写真】ワンジルは(左から右へ)目を閉じてゴールし、祈るような仕草をした後、しゃがみ込んで十字を切った(上)
ケニア国旗と聖火台を背に笑顔のワンジル(下)(いずれも共同)