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「歴史塗り替えた」 フェンシング、太田父子の夢花開く

 フィクションを含め、スポーツの世界にはさまざまな父子物語が存在する。父がスパルタ教育を施し、子がその夢を実現する。男子フルーレ個人の太田雄貴(22)=京都ク=は惜しくも優勝こそ逃したが、見事な銀メダル獲得で父親の義昭さん(55)と日本フェンシング界の期待に応えた。
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 前回のアテネ大会では9位にとどまった太田だが、この日は4年間で蓄積した力を存分に発揮した。世界ランク1位、アテネの銀メダリストと本場欧州の強豪を次々となぎ倒した。決勝戦は昨年の世界選手権3位のクライブリンク(ドイツ)が相手。主導権を握られ続ける試合だったが、終盤食らい付く粘りを見せた。

 「率直に喜んでいいんじゃないですか。タフな試合が多かったけど、自分のパフォーマンスができた」と太田は銀メダルの足跡を振り返った。

 かつてフェンシング少年だった義昭さんが太田をこの競技へと誘い込んだ。太田が小学校3年の時、家庭用テレビゲームとソフトのプレゼントと引き換えに、フェンシングの練習を始めることを認めさせたのだった。

 「継続は力なり」を信じる父は、剣さばき、フットワークなどの居間特訓を毎日厳しく課した。息子はジュニア時代からぐんぐん頭角を現し、京都の平安高校時代に高校総体3連覇。17歳で史上最年少の日本チャンピオンにも輝いた。

 欧州伝統のこの競技で、日本勢がメダルを獲得するのは個人、団体を通じて初の快挙だった。日本チームの江村宏二監督は「北京で日本のフェンシング界を変える、この願いがかなってうれしい」と言った。

 ただ太田は「決勝は負け続けている相手だったので、男として悔しい」と負けん気をのぞかせた。雪辱の楽しみは4年後のロンドンまで取っておこう。

【写真】銀メダルを取り、観客席に手を振る太田(共同)