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好調過ぎたのがあだに? 野口みずき、無念の欠場

 悲しい知らせが飛び込んできた。女子マラソンでアテネに続く2連覇を期待されていた野口みずき(30)=シスメックス=が、左太ももの肉離れが回復しないため、17日のレースを欠場することになった。懸命の治療でジョッギングができる程度にまでは回復したが、レース参加は無理と判断したのだ。
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 本番レースを目前にしての出場断念。かねがね野口は「誰にもできない練習をしてきた」と誇らしげに言い、広瀬永和コーチも「男子でもなかなかできない内容」と密度の濃さを自負していた。

 歯を食いしばり血のにじむような厳しいトレーニングに加え、藤田信之監督の綿密で細心な戦略も定評があった。過去6戦して5勝。唯一勝てなかったレースは2003年の世界選手権で、それも2位になっている。06年にはベルリンマラソン、翌年はロンドンマラソンを故障のため回避している。いずれも北京五輪を視野に入れて無理をしない姿勢の表れだったのではないか。北京対策も怠りなく、硬い路面への対応など万全の態勢を整えていたはずだ。

 ただ、6月の時点で野口の調子があまりによいことを逆に危惧(きぐ)していたマラソンの専門家がいる。好調過ぎるために調整から仕上げの段階でオーバーワークに陥り、肉体に過度の負担を強いてしまう事態を懸念していたのだ。「長距離で肉離れというのは考えずらい」と指摘する別の関係者は、高地の上、起伏の激しいサンモリッツの練習コースをこなすには野口の走りにスピードがありすぎたのでは、と推測する。調子が良すぎたための落とし穴にはまったとでも解釈すればいいのか。

 五輪で優勝を争うレベルの選手になると、故障と紙一重のぎりぎりの段階で準備を進めていると言われる。「この4年間やってきたことはすべて北京で走るためだった。今も走りたい、走ろうという思いは消えません。しかし、現状を認識すれば出場を断念せざるを得ません」。野口の無念さを伝える言葉が切なく胸に迫る。
                                         (47ニュース編集担当 岡本彰)

【写真】野口はアテネでかみ締めた金メダルの喜びを北京では味わえなくなった(共同)