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北島、世界新で2連覇 心は早くも2冠奪取へ

 折り返しを過ぎてから、接戦を鮮やかに抜け出した。新鋭のダーレオーエン(ノルウエー)や宿命のライバル、ハンセン(米国)ももはや敵ではなかった。58秒91の世界新。北島康介(日本コカ・コーラ)が男子100メートル平泳ぎを会心のレースで制した。
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 ゴール後、派手なガッツポーズを取り、腹の底から雄たけびをあげた。しかし、勝利インタビューはスムーズに運ばなかった。声が出る前に涙が込み上げた。やっと絞り出すように「ありがとうございます。うれしいです」と切り出した後「すみません。何も言えねえ。ハア、ハア」。独特のべらんめえ調は、万感の思いを伝えられないもどかしさの表れだった。

 4年前、21歳で世界の頂点に立った。その夢を実現させた反動が、モチベーションの低下となって青年を襲った。国際大会はおろか、日本選手にも勝てない試合が続いた。

 ようやく一昨年の夏に転機が訪れた。高熱を出して入院、点滴を打ちテレビを眺める毎日。そんな状況から再生への脱出口が見えてきた。「中途半端は駄目だ。気持ちが継続できるかが勝負」「僕は五輪を感じて大きくなった。僕の人生そのものだ」。そして、昨年のメルボルン世界選手権200メートル優勝で北島は完全に蘇った。

 表彰台の中央で君が代を歌いながら、日の丸の旗が掲揚されるのを見届けた。横に立つ二人の大男の顔に笑みがはじける。だが北島の表情はほとんど緩まない。12日からの200メートル(決勝は14日)への緊張感が早くも身を包んでいるのか。目標はあくまでも2大会連続の2冠達成である。

【写真】世界新で2連覇を達成した北島康介(共同)