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炎と燃えた30歳 内柴が見事2連覇 日本に初の金メダル

 打ち沈んでいた日本柔道チームに、予定より1日遅れの金メダリストが誕生した。男子66キロ級の内柴正人(旭化成)。アテネに続く2連覇だ。あふれるばかりの闘志と切れのいい動きで相手を圧倒した。4回戦こそ先行を許したが、得意のともえ投げから逆転した。
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 4年前に世界の頂点に立った。ところがその後、精気あふれる柔道は影を潜め、五輪代表選考を兼ねた昨年末の嘉納杯は2回戦で早々と敗退する始末だった。その時、観客席の最前列にいた長男の輝ちゃん(4)と目が合い、思わず「情けない」と嫌気がさしたという。妻の後ろ姿も発奮材料になった。あかりさん(28)は2年前から柔道整復師の専門学校に通っている。家事と育児の合間に通学し、夜は疲れた体で机に向かう毎日だった。

 家族の中での父として夫としての立場の再確認。一方では、同じ北京を目指しながら苦闘する井上康生(綜合警備保障)と野村忠宏(ミキハウス)の二人の「アテネの戦友」の姿が刺激となった。「おれは元気なのに何をやっているんだ」。内柴の柔道は今年に入って急速に本来のシャープさを取り戻し、代表切符を手にした。
 
 この日、優勝を決めて畳をおりるとこぶしを突き上げて雄たけびを上げ、大声でスタンドにいる妻子の名前を連呼した。マイクに向かっては「これが僕の仕事なのでやりました」と言った後「オヤジなんでオヤジの仕事をしました」と誇らしげに胸を張った。

 160センチの体を目いっぱい躍動させ、もぎ取った金メダル。6月に30歳になったばかりの内柴は、谷亮子(トヨタ自動車)も成し遂げられなかった30代の五輪制覇を日本の柔道選手として初めて達成した.

【写真】スタンドにいる妻子に向かって大声で呼び掛ける内柴正人(共同)