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「安全な五輪」へピリピリ 中国、金メダル首位も

 8月8日午後8時(日本時間同9時)北京五輪が開幕する。1964年東京、88年ソウルに続くアジアで3度目の夏季五輪で、中国が「中華民族100年の夢」と位置付ける大会だ。この大イベントを前に地元の表情、最大規模の選手団を送り込む日本チームの意気込み、競演する世界のトップスターの話題など3回続きで紹介する。
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 ▽高まるムード
 開閉会式と陸上競技の舞台となる国家体育場は今や北京の観光名所となっている。その外観から名付けられた「鳥の巣」の愛称がすっかり定着、9万1千人収容の大スタジアムの威容が人々を引き付ける。
 開幕を目前に控え、天安門広場や主要道路沿いに五輪マークと大会エンブレムをあしらった旗などカラフルな飾り付けが登場。五輪に合わせて建設された地下鉄の新路線もすべて開通した。市内への一般車両の乗り入れが規制され、ビル建設も中断。普段はかすんでいる遠くの高層ビルが見えるようになるなど、かねて懸念されていた大気汚染は徐々に改善しつつあるようだ。inu.jpg
 ▽漂う緊迫感 
 開幕への準備が着々進行する一方で、五輪は3月のチベット暴動、5月の四川大地震など厳しい状況に揺さぶられてきた。最終局面を迎えた国内での聖火リレーは海外同様に厳戒下で行われている。社会への深刻な不満のはけ口を求めるように貴州省では住民暴動が起こり、雲南省昆明ではバスの爆破事件が発生。人権団体からは反体制派や人権活動家に対する治安当局の締め付け強化を非難する声があがっている。

 こうした背景もあって、政府は「安全な五輪」を実現しようと対策に懸命だ。五輪を標的にしたテロ対策に神経をとがらせ、空港や地下鉄駅などで手荷物検査が強化された。街角には警官らの姿が目立ち、スポーツの祭典には不似合いな緊迫感が街に漂うのは否めない。ryusyo.jpg
 ▽メダル首位の夢
 中国には大きな夢がある。金メダル獲得争いは米中の対決になり、中国が首位になる可能性が予測されている。前回のアテネ大会の金メダルは米国36に対し中国は32。国民的ヒーローの劉翔(陸上男子110メートル障害)や郭晶晶(女子板飛び込み)、楊威(男子体操)らが頂点に立てば、伝統的に強い卓球やバドミントン、重量挙げ、射撃などで一気に量産を望める。
国を挙げて才能ある選手の発掘と育成に努め、外国人コーチを大量に招いて強化を推進してきた。銀と銅を合わせたメダル総数ではまだ層の厚い米国、ロシアに及ばないかもしれないが、「スポーツ大国」の地位を不動にする成果を挙げそうな気配が濃厚だ。

【写真】青空の下での「鳥の巣」(上)空港の警備もピリピリ。捜索犬を連れて巡回する警察官(中)中国の期待を担う劉翔選手