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 伝統を重んじる古都が、国際基準の祭典を前にどう変わろうとしているのか。五輪の街角から報告する。
 世界のトップアスリートが集う五輪を直前に控えて変わりゆく中国。北京五輪開催の意義を、多様な観点から聞いた。

「看護の心」伝えたい 北京で働く日本人看護師

 五輪で北京に来た外国人選手らを診る中日友好病院の国際医療部に1人の日本人看護師がいる。阿部亮子さん(30)=東京都出身=。本番に向けて患者の受け入れ準備に忙しい毎日が続くが「日本の看護の心を伝えたい」と頑張っている。

 中国で暮らすのは2回目だ。青年海外協力隊員として2005年7月から2年間、内陸部の貴州省の病院で看護教育を担当した。だが、当時は戸惑うことが多かった。

 「患者さんのために」と、日本では当然と思っていた食事の介助も、中国では「家族がやることだ」と受け入れてもらえない。人工呼吸器のアラームが鳴っても現地の看護師は対応が分からず、患者が目の前で亡くなることもあった。「無知は罪なんだって中国に来て初めて思った」。

 そのころ、貴州省の看護師らに「看護とは何か」を伝えようと、学生時代に習ったナイチンゲールなどの言葉を探した。やっとたどり着いたのが「患者とのコミュニケーションが一番大切だ」ということだった。

 だが、この「看護の心」をうまく伝えきれないまま派遣期間は終了。悔しさを感じながら日本に戻ったが、3月に五輪を前にした北京に入り、中日友好病院で働く機会を得た。

 病院では中国人看護師に日本語も伝授。患者を呼び捨てにせず「さん」を付けることなど、優しく患者に接することも覚えてもらいたいと願う。

 日本人の患者に日本語で応対していると、勉強熱心な中国人看護師が寄ってきて「さっき何て言っていました?」と聞かれることも多い。「私も五輪の高揚感や、みんなの向上心を共有できればいいな」。はつらつとした笑顔を見せた。(北京、共同)



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