47NEWS >  共同ニュース >  北京五輪 >  美しさと難しさの王者対決 体操の冨田と楊威 
 伝統を重んじる古都が、国際基準の祭典を前にどう変わろうとしているのか。五輪の街角から報告する。
 世界のトップアスリートが集う五輪を直前に控えて変わりゆく中国。北京五輪開催の意義を、多様な観点から聞いた。

美しさと難しさの王者対決 体操の冨田と楊威 

 体操の2005年世界選手権男子個人総合で王者に輝いた冨田洋之(セントラルスポーツ)は、体の線の美しさで北京五輪の金メダルに挑戦する。体操ニッポン史上初めて、個人総合で五輪と世界選手権の2冠が懸かる。最大のライバルは06年、07年の世界選手権を制した中国の楊威だ。

2連覇した楊威

世界選手権の男子個人総合で2連覇した中国の楊威=07年9月、シュツットガルト(共同)

 04年アテネ五輪で採点をめぐる混乱があったため、国際体操連盟は06年から10点満点を廃止した新しい採点方式を導入した。技の難しさで上下する「演技価値点」と技の完成度で争う「演技実施点」を合計する方式で、冨田は世界選手権のタイトルを楊威に奪われた。出来栄えを反映する演技実施点で得点を稼いだが、難しい演技を練った楊威に演技価値点の高さで屈した。

 「ライバルと言われてもずっと負けっ放し。楊威は難しいことをやってくるタイプで体操の方向性が違う。自分は美しい体操をしたい」。年明けからは苦手の床運動の演技価値点を高めることに取り組んだ。5月上旬のNHK杯で五輪代表入りしてからは、8度の強化合宿で個人総合に必要な6種目すべての完成度を上げる練習を積んだ。

冨田洋之

NHK杯兼北京五輪代表決定競技会の男子個人総合で優勝した冨田洋之=5月、岡山県体育館

 冨田は初めて日本代表に入った01年東アジア大会以来、個人総合での楊威との直接対決では苦戦が続いている。頂点に立った05年世界選手権は宿敵が不在。アテネ五輪は順位は上回ったが、冨田は日本が28年ぶりの栄冠に輝いた団体総合の疲労などで6位、楊威も団体総合でメダルを逃したショックで7位。ともにメダルを取れなかった苦い思いが残った。

 団体総合は日中対決になりそうだ。2人はそれぞれ大黒柱としてチームを引っ張る立場でもある。楊威は「地元開催の五輪は名誉であるとともに重圧もある。冨田は最大の宿敵。世界選手権で勝ってきたが、五輪と世界選手権は違う」と闘志を燃やす。ともにアテネ五輪の悔しさを晴らすため、冨田は美しさ、楊威は難しさで勝負する。(奥出)



 最新のニュース


ロード中 関連記事を取得中...