オーダーは1グラム単位 こだわりの卓球ラケット
卓球のトップ選手の半数以上が「タマス」(東京)のラケットを愛用する。「一グラム単位のオーダーに応えます」。特別注文を受けたラケット職人の金井一磨さん(25)が「世界でたった一本」を仕上げる。「注文しても一カ月待ち」という人気ぶりだ。

世界のトップ選手から特別注文を受ける「タマス」のラケット職人、金井一磨さん=6月11日、埼玉県所沢市
ラケットは、直径約十五センチの楕円(だえん)形の薄い木材にグリップを付け、球との接触面にラバー(ゴム)を張る。百種類以上の既製品があるが、選手はそれぞれ形状や厚み、重さ、打球感にこだわる。
「自分で図面を描き、サイズ指定してくるケースもある」と金井さん。特に重量がポイントといい、五グラム程度幅を持たせた注文が多い中で「一円玉一個、一グラムの違いを求める選手もいる」。
「帯のこ盤」で楕円(だえん)形に粗削りし、機械式のサンドペーパーで仕上げる工程は至ってシンプル。「シンプルだからこそ手作業が生きる」と語る。
アテネ五輪の卓球男子シングルスを制した韓国の柳承敏選手は、木目が細かい木曽ヒノキ一枚(単板)の特注ラケットを使った。高反発で柔らかい打球感がある。
このラケットを作ったのは「名職人」と仰がれた千原悟さん(71)。金井さんは入社後、千原さんから技を学び、今年初めに独り立ちした。退社した千原さんの代わりに、今では特注を一手に引き受けている。
ラケットの主流は単板より、三―七枚の薄いアフリカ材を張り合わせた合板。「フットワークを使うスピードある攻撃卓球に向く」という。日本の水谷隼選手(19)のラケットは、カーボンファイバーと特殊繊維を合わせた素材を合板の間に二層挟み、弾みと軽さを両立した。技術開発も職人技を支えている。













