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ボルトが9秒69、驚異の世界新 人類最速 「鳥の巣」に衝撃走る 

 国家体育場「鳥の巣」を異様な興奮が包んだ。16日夜の陸上男子100メートル決勝で、ウサイン・ボルト(21)=ジャマイカ=が9秒69の世界新記録をマークして優勝した。
世界新でゴールのボルト5

 196センチと長身のボルト。金色のスパイクを履いてスタートしたが、その反応速度は8選手中の7番目。しかし、その後が並みのスプリンターではなかった。前傾姿勢を保ち、大きく柔らかい動きで抜け出すともう無敵だった。他選手を圧倒するストライドで中盤からグングン加速。80メートルあたりで勝利を確信すると、後は流すようなランニング。視線を左右のレーンにやり、ゴール前では手を広げ顔を斜めに向けてフィニッシュした。かつてこれほど余裕を漂わせながらテープを切った100メートルの勝者がいただろうか。

 自らがこの5月31日に記録した9秒72の世界記録を更新して、初めて9秒6台への突入を果たした。「王者になるためにここに来た。タイムは気にしていなかった。勝てると分かったときはそれはもうハッピーな気分だった」。ボルトは笑みを浮かべながらまくし立てた。

 世界選手権者のタイソン・ゲイ(米国)、前世界記録保持者のアサファ・パウエル(ジャマイカ)にボルトを加えた3強の争いが開幕前から注目されていた。ゲイが準決勝でよもやの敗退を喫し、パウエルは5位に沈んだ。笑ったのは今季から100メートルに本格参戦したばかりの新鋭ボルトだった。

 これで競泳のマイケル・フェルプス(米国)とともに、北京五輪の顔として世界中の人々の記憶に長く名をとどめることになるだろう。次の目標は昨季まで専門だった200メートル。勝てば伝説のスプリンター、カール・ルイス(米国)が1984年ロサンゼルス五輪で達成して以来の短距離2冠王となる。

【写真】世界新でゴールするボルト(右)(共同)