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 伝統を重んじる古都が、国際基準の祭典を前にどう変わろうとしているのか。五輪の街角から報告する。
 世界のトップアスリートが集う五輪を直前に控えて変わりゆく中国。北京五輪開催の意義を、多様な観点から聞いた。

発想の転換で滑りにくく 選手に尋ねたバスケ試合球

 素早く、意外性のあるパスやドリブルが魅力のバスケットボール。選手の手先の微妙な感覚を満足させるため、ボールメーカーは苦心を続ける。北京五輪に試合球を提供する「モルテン」(広島市)もその1つだ。

 モルテン製品の五輪採用は1984年のロサンゼルス以来、7大会連続。北京で採用されたボールは、ツートンカラーで視認性が高まったのに加え、これまでの常識と異なる2つの「発想の転換」が秘められている。

 ボールの表面は牛革。金型を使い、全体に細かい突起を作る。「ごつごつとした感触の方が手になじみやすい」というのが従来の考え方だったが、あらためて選手に聞くと「汗をかくと滑りやすい。手に吸い付くボールが欲しい」。

 そこで、丸めていた突起の先端を平らに変えた。触ると従来よりつるっとした印象だが、手に触れる面積が広くなり、汗をかいても滑りにくくなったという。

 牛革の接ぎ目は段差を小さくした。「接ぎ目の溝は深い方が指にかかりやすい」との“常識”が、「指で接ぎ目を探す余裕はない」「不連続な部分はかえってミスにつながる」という選手の声に打ち砕かれたからだ。

 開発を担当した池本尚史係長(39)は剣道の国体強化選手だったが、球技は「体育の授業ぐらい」。ほかにもバスケットボールの経験者はおらず、試作品を作っては選手の感想を聞き、さらに改良する繰り返しだった。

 「『何となくこっちがいい』などデータ化しにくい言葉を製品化するのは大変だった」と苦笑いする池本さん。「より良いボール作りに終わりはない」と、すでに次の五輪を見据えている



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