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 伝統を重んじる古都が、国際基準の祭典を前にどう変わろうとしているのか。五輪の街角から報告する。
 世界のトップアスリートが集う五輪を直前に控えて変わりゆく中国。北京五輪開催の意義を、多様な観点から聞いた。

厳しさと配慮で最強へ レスリング女子の吉田・栄

 北京五輪のレスリング女子55キロ級で連覇が有力視される25歳の吉田沙保里(よしだ・さおり)(綜合警備保障)は、今も母校の中京女大で栄和人(さかえ・かずひと)・日本女子監督(48)の指導を受ける。たぐいまれな才能が厳しさと配慮に磨かれ、2度目の頂点に挑む。

世界選手権の吉田と栄監督

昨年9月に行われた世界選手権で、5連覇を達成した吉田沙保里と栄和人監督=バクー(共同)

 頭をそり上げ、練習で怒声を上げる栄は同大の監督でもある。吉田は「ああ見えてすごくマメ。女子ばかりを何十人もまとめて強くするのはすごく大変。細やかでないと無理」と評する。

 ことし1月、団体戦のワールドカップ(W杯)で2001年からの連勝が119で止まった。泣きじゃくった吉田は「監督は、わたしよりもショックを受けていたように見えた」と振り返る。栄は、吉田が出る必要のなかった団体戦で喫した黒星に「本人は乗り気じゃなかった。僕が出ろと言ったから」とかばった。

 復帰戦となった3月のアジア選手権直前には、緊張のあまり吉田が体調を崩した。青白い顔で計量を済ませたまな弟子に、栄は練習場の隅で温めたレトルトのおかゆを手渡した。「試合前にたいしたことはできないけれど、できることはしてあげたいから」。重圧に立ち向かう教え子を気遣った。

 栄が吉田を初めて見たのは高校2年の時。動きは鋭かったが「空振りの多いホームランバッターのようだった」と述懐する。01年の大学入学から2人で“打率十割”のタックルを追求してきた。「相手を腕でさばきながら攻められれば、沙保里はもっと強くなれる」と断言した。

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 強い選手には名指導者が欠かせない。深い信頼関係ときずなを武器に、北京五輪を目指す師弟たちを追った。(敬称略)



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