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 伝統を重んじる古都が、国際基準の祭典を前にどう変わろうとしているのか。五輪の街角から報告する。
 世界のトップアスリートが集う五輪を直前に控えて変わりゆく中国。北京五輪開催の意義を、多様な観点から聞いた。

登山家らの夢に政治の壁 暴動影響で登頂ルート変更

標高8,848メートルのチョモランマは登山家にとって一度は登ってみたい世界最高峰。多くの名登山家が命を落としたが、近年はアマチュアの登山者でも登頂できるようになった。プロの山岳ガイドと登る「公募登山隊」という登山形態が増えたためだ。昨年までの登頂成功者は世界で延べ約3500人、日本人は延べ146人に上る。

チョモランマ登山に向け、低酸素ルームでトレーニングする女性=3月25日、東京・代々木

こうしたアマの登山者らが、東京都渋谷区にあるプロスキーヤー三浦雄一郎(みうら・ゆういちろう)さん(75)の事務所の低酸素ルームで、高地に体を慣らす訓練をしている。自営業島田典子(しまだ・のりこ)さん(51)もその1人。酸素濃度を平地の半分に下げ訓練に励んでいた。

大学の山岳部出身でもない島田さんが山を始めたのは8年前。かつて訪れたネパールで見たチョモランマの景色に心を奪われた。「私のような普通のおばさんがチョモランマに登れるなんて思いもしなかった」と話す。

島田さんが申し込んだ公募登山隊の山岳ガイドは「かつては選ばれた人しか登ることができなかった。今は、装備が改良され酸素ボンベも軽くなり一般人でも登頂は夢ではなくなった」と話す。

ベースキャンプには、世界中から公募登山隊など100人以上が集まる。2003年に登頂に成功した三浦さんは「頂上直下では各国登山隊による『渋滞』が起き、3時間も待たされた」と話す。

北京五輪聖火の登頂に合わせ、今年も日本から2つの登山隊が中国チベット自治区から登頂を目指す予定だった。その1つ、世界最高齢で登頂を目指す三浦さんの登山隊には4月上旬、中国側から緊急連絡が入った。

「チョモランマ遠征は非常に難しい」
 
五月登頂を目指していた三浦さんらは、チョモランマを挟んでチベットの反対側のネパールで、高度順化のための訓練をしているところだった。

既に中国登山協会は登山許可を出していたが、チベット自治区のベースキャンプに入るための査証(ビザ)を中国政府が発給しないのだ。チベット暴動の影響があったのは明らか。やむなく、これまで登頂したことのあるネパール側からのルートへの変更を決断した。

三浦さんと一緒に登る次男の三浦豪太(みうら・ごうた)さん(38)はブログに「チベット側からチョモランマに登れないのがとても残念。ネパール側からの景色とは違った地球が見えることであろう…」と無念の思いをつづった。

中国政府から、ビザを発給しない理由の詳しい説明は今もない。

「中国とチベットの間には長い歴史と確執があることは理解している。しかし、山の中に入るからこそ、逆にそんな雑音から離れられることこそが、厳しくとも山の素晴らしい魅力だ」と豪太さんはブログで語り、「スポーツは平和の上に成り立っているといわれる。では、スポーツによって平和を成り立たせることも可能ではないか」と問い掛けている。(共同)



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