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センバツの鼓動 第80回記念大会

BS-0108__-200801251854_M.jpeg 出場する36校が選出されたのは1月25日だった。これが過ぎてから公には選抜大会の話題はプツンと切れてしまう。2月は沈黙の期間になり、3月14日に組み合わせ抽選会。そして22日の開幕を迎え、13日間の大会に突入する。本番までの歩みは実にゆっくりしたものである。

 「春はセンバツから」と形容され、このキャッチフレーズが親しまれてから久しい。高校野球の開催が、厳しい冬を乗り越えた季節をリードしていくという響きがある。すべてのものが生気にあふれ、躍動感が生じる予兆に満ちる。

 春の大会には悲壮感は乏しい。新しい2、3年生のみのチームで、敗退しても夏が残っているという救いがある。ひとつの負けも許されない、ぎりぎりの戦いでないのが見るものの心を和らげている。でも、センバツの経験が夏への財産となることを考えれば、苦労の量の多さは貴重だ。

 2月は鍛錬期になる。寒冷地の代表は温暖な場所に移りキャンプになろう。3月に入れば練習試合が解禁となって、もうこのころは総仕上げの段階。故障者のないように細心の注意をしながらの日々になる。

 大会が始まっても天候は気ままに変化する。冷え込んだり、暖かだったりの三寒四温。菜種梅雨に泣かされるシーズンもままある。幾つかの花曇りをくぐり抜け、桜前線の推移を楽しみにしていると甲子園にも本格的な春がやってくる。

 大会の終盤には球場周辺の桜が満開になり「春はセンバツから」のイメージが現実となって展開される。

【写真】選抜出場が決まり、帽子を投げて喜ぶ昨春優勝の常葉学園菊川ナイン=1月25日

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万代隆(まんだい・たかし)1941年大阪市生まれ。長い野球記者生活で培った確かな取材力と幅広い人脈を誇る。春夏の甲子園大会もネット裏から熱い視線を送り続け、持ち味の平易な語り口で共同通信のコラムなどに思いをつづっている。近著のコラム集「球界時評」(高知新聞社、南日本新聞社発行)も好評。

(次回掲載は2月22日)