初陣、侮るなかれ! 数々の栄光刻む
この4校を勇気づける面白いデータがある。昨春まで初出場チームが4大会連続で決勝戦に進出している。済美(愛媛)神村学園(鹿児島)清峰(長崎)大垣日大(岐阜)と続く。4校の中で清峰だけが前年夏に甲子園を経験しており、あとは文字通り初出場での快挙だった。 初陣で話題を集めた出来事は多い。第60回大会で宇和島東(愛媛)を優勝に導いた上甲正典監督は、その16年後に創部3年目の済美を頂点に押し上げている。この手腕に、高校球界では屈指の指導者として高い評価を受けている。 春の大会は新チームになって日が浅い。投、攻、守が高いレベルに達していないから、初めての甲子園でも投手の力量次第で浮上のチャンスが生まれてくる。 大会史を彩る優勝校のヒーローを眺めれば、160㌢「小さな大投手」の光沢毅投手(飯田長姫=長野)がいる。逆に190㌢の大型右腕だった仲根正弘(日大桜丘=東京)。後に西武で活躍した渡辺智男(伊野商=高知)や、ゴルフ界に転じた尾崎将司(海南、現海部=徳島)も忘れられない一人だろう。初出場校を軽く見てはならない。 【写真】76回大会で済美を初出場初優勝に導いた上甲正典監督。16年前にはやはり初陣の宇和島東を優勝させていた(2004年4月4日) 万代隆(まんだい・たかし)1941年大阪市生まれ。長い野球記者生活で培った確かな取材力と幅広い人脈を誇る。春夏の甲子園大会もネット裏から熱い視線を送り続け、持ち味の平易な語り口で共同通信のコラムなどに思いをつづっている。近著のコラム集「球界時評」(高知新聞社、南日本新聞社発行)も好評。 (次回掲載は2月29日)
今大会の初出場は9校を数える。このうち長野日大(長野)興譲館(岡山)安房(千葉)華陵(山口)は夏の甲子園にも出場していない。やっと念願かなって晴れ舞台に登場してくることになった。この喜びは大きいだろう。