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「21世紀」と「希望」 2つの特別枠を新設  

BS-0632__-200104022035_L.jpg 21世紀になって初めての春、第73回大会に新たな改革も始まった。「21世紀枠」という選出枠が設けられた。これまでの実力優先で決まる選考に加え、あとひと息の力不足で甲子園への道を阻まれていたチームに「夢」と「希望」を与える新機軸である。

 無条件ではない。前年の秋季都道府県大会でベスト8への進出。これが力量判定の合格ラインで、まずここまで進んでこないと道は開けない。そして第2の関門は野球部独自の活動や、学校を取り巻く環境への対応。それらが地域などにいい影響を及ぼしていることなども推薦の主因になる。困難な状況に立ち向かう姿。ともすれば忘れられがちな学業との両立にも光が当てられる。

 昨年まで21世紀枠での出場は2校だったが、記念の80回大会で今年は安房(千葉)成章(愛知)華陵(山口)の3校。今年も新風を吹き込むことができるかどうか。これまで7年間で送り込まれた14校で初戦に勝利を収めたのは4校だけ。特筆すべきは宜野座(沖縄)の奮闘でベスト4にまで進出した。それ以外に2勝したチームがないのはちょっと寂しい。

 「希望枠」という特別枠の第2弾がスタートしたのは2003年の第75回大会だった。惜しくも一般選考から漏れた補欠1位校が投手を含めた守備力を判定される。これまで旭川実(北海道)秋田商(秋田)三本松(香川)一関学院(岩手)大垣日大(岐阜)と続き、今大会は一関学院が2年ぶり2度目の希望枠に入った。

 この顔触れを分析すると、打力に優れる地域からの出場は困難になるだろう。守りの野球を推進することに異論はないが、守備力は数字に表れない部分も多い。6年目を迎えた新枠に見切りをつける動きがあるという。

【写真】宜野座が旋風! 73回大会に21世紀枠で出場した宜野座は、浪速(大阪)を延長11回の末破ってベスト4進出を決め喜びを爆発させた。

万代隆(まんだい・たかし)1941年大阪市生まれ。長い野球記者生活で培った確かな取材力と幅広い人脈を誇る。春夏の甲子園大会もネット裏から熱い視線を送り続け、持ち味の平易な語り口で共同通信のコラムなどに思いをつづっている。近著のコラム集「球界時評」(高知新聞社、南日本新聞社発行)も好評。

(次回掲載は3月4日)