祈りよ力に

  • 「祈りよ力に」(50) 「ロシア・サハリン」=最終回
  • 「祈りよ力に」(49) 「韓国」
  • 「祈りよ力に」(48) 「スペイン」
  • 「祈りよ力に」(47) 「インド」
  • 「祈りよ力に」(46) 「ベトナム」

世界の人々は何を祈り、いかなる未来を得ようとしているのか。痛切な祈りもあれば、滑稽な祈り、よこしまな祈りもある。戦争や貧困、煩悩や貪欲、愛と憎しみ―。祈りの背景もまたさまざまだ。「祈る人々」の物語を各地で追う。

「祈りよ力に」(50) 「ロシア・サハリン」=最終回

「祈りよ力に」(50) 「ロシア・サハリン」=最終回

 86歳の 栗山知ゑ子 (くりやま・ちえこ) は目頭をハンカチで押さえながら曲がった腰を精いっぱい伸ばし、祭壇に並んだ9人の遺影に向き合った。思い出がよみがえる。あの人に三つ編みを結ってもらった。この人と一緒に夜勤をしたっけ―。  北海道稚内市の公園には樺太(ロシア極東サハリン...

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「祈りよ力に」(49) 「韓国」

「祈りよ力に」(49) 「韓国」

 褐色がかった肌に笑顔を浮かべ、観客席に向かい誇らしげに右手を振った。韓国を代表するスポーツ選手、俳優らで構成された旗手団8人の1人として37歳の李ジャスミンはトラックを行進した。9月19日夜、 仁川 (インチョン) で行われた第17回アジア大会の開会式。外国出身で初の韓国国会議...[続きを読む]

「祈りよ力に」(48) 「スペイン」

「祈りよ力に」(48) 「スペイン」

 地中海からの暖かい風が、秋のバルセロナの街を吹き抜けていた。  不妊治療のため、スペインを訪れる外国人は日本人を含め年間6千~7千人に上る。第三者からの精子、卵子提供による不妊治療が公に認められているだけでなく、提供卵子の豊富さや高い医療技術などがその理由だ。中でも世界遺産の...[続きを読む]

「祈りよ力に」(47) 「インド」

「祈りよ力に」(47) 「インド」

 聖と俗の世界を仕切るかのような壁が寺を囲んでいた。その壁を越えると、たちまち人の渦にのみ込まれた。テニスコートほどある敷地の中央にはほこらがあり、ヒンズー教の土着神バラジがまつられていた。祈りのマントラ(真言)を唱えながら、その周りを数百人の老若男女が一心不乱に歩いている。 ...[続きを読む]