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支持率低下を懸念―与党 批判票獲得に全力―野党 

 11月29日の衆院選トレンド調査結果で共同通信の電話世論調査として初めて第2次安倍内閣の不支持率が支持率を上回ったことに、自民党は懸念を強めている。ただ党への支持は底堅いとみて、経済政策の実績を前面に掲げて押し切る構えだ。野党は「アベノミクスの負の側面が明らかになってきた」(民主党幹部)とみて政権に対する批判票の獲得に全力を挙げる。

 「円安の批判ばかりするが、民主党政権だった2年前は行き過ぎた円高で仕事がなくなっていた」。安倍晋三首相は29日、千葉県松戸市での街頭演説で声を張り上げた。

 アベノミクスによる円安や物価高の影響をクローズアップする野党に対し、首相は「この道しかない」と訴えを続ける。世論調査では内閣支持率が低下傾向にあるものの、自民党は小選挙区、比例代表の投票先で民主党を2倍以上引き離し、強気の首相を後押しする。

 自民党幹部は「支持率下落は気になる。失言などで大きく戦局が変わることもあるので注意したい」と表情を引き締めた。閣僚経験者も「どこに投票するか決めていない層は何かのきっかけで火が付くと止められない。楽観できない」と警鐘を鳴らした。

 与党は小選挙区だけでなく、比例代表票の掘り起こしにも懸命だ。野党の候補者調整によって民主党の空白区が多いことから比例と連動した戦いがしにくいとみて、攻勢に出る。

 首相は党幹部に「女性や若者の候補者を増やすように」と指示。28日に発表した比例の追加公認と合わせて全国11の各ブロックに女性の比例単独候補を1、2人確保した。女性活躍推進を掲げる政権の姿勢をアピールする狙いだ。

 公明党も比例議席を増やす絶好の機会と見て、前回3議席だった九州ブロックなどで「悲願の1増を目指す」(党幹部)と意気込む。

 民主党は「アベノミクスで国民の生活は苦しくなるばかりだ」(海江田万里代表)と批判を強める。小選挙区の候補者は約180人。維新の党などとの連携で共倒れを防いで「自民1強」体制を崩す戦術だ。

 枝野幸男幹事長は29日、京都市での集会で、解散時に約230あった自民党との議席差に関し「250対100ぐらいに詰めないと国会に緊張感が生まれない」と3桁の大台を目標に掲げた。

 激化する与野党攻防とは裏腹に、有権者の関心は高まっていない。前回2012年衆院選では投開票日2週間前の調査で「大いに関心がある」「ある程度関心がある」の合計は80%を超えたが、今回は67・4%にとどまる。

 自民党は「風はどちらにも吹いていない。有権者に不満はあるが、消去法なら選んでもらえる」(幹部)と皮算用する。 民主党の閣僚経験者は「党が政権批判の受け皿になり切れていないことも低調な原因の一つだ」と分析した。

2014/12/03 14:48 【共同通信】

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