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論戦主導権争い激しく 安保やエネ政策も対立 

 来月 2日の衆院選公示を前に 、安倍晋三首相(自民党総裁)と民主党の海江田万里代表が互いの 政治手法をけん制し、論戦の主導権争いが激しくなってきた。 経済政策「アベノミクス」の是非だけでなく、エネルギー政策や安全保障政策でも対立する。強気の構えを崩さない与野党第1党のリーダーだが、課題も抱える。

 「消費税率を10%に上げるか分からないと言っている人が政権をとった国に投資する人は世界中にいない」

 首相は22日のインタビューで、 2017年4月に消費税再増税を実施すると明言し、 民主党との姿勢の違いを強調した。与野党に異論がない 増税延期 を理由とした解散に「大義がない」との批判が消えないためだ。

 首相は「私たちには(10%に)上げるための経済政策がある」と力説。民主党側に具体的な対案がない点を浮き彫りにしたい思惑だ。21日の解散直後の自民党両院議員総会では「民主党は政策を横に置いて数だけ増やそうとしている。 烏合 (うごう) の衆だ」と声を張り上げた。

 しかし肝心の財政再建について首相側に具体案はない。「来年夏に財政健全化目標を達成する計画を策定する」とするが、問題先送りとのそしりは免れない。

 対する海江田氏は首相の「暴走」に焦点を当てる。23日のインタビューでは首相が経済を理由とした解散で「4年間の白紙委任状を取り付けようとしている」と指摘。自衛隊海外派遣や国防軍創設を含む憲法改正草案の実現を進める狙いに警鐘を鳴らした。

 対抗策として維新の党との共通政策や候補者調整で「野望を阻止しないといけない」とも語った。だが短期決戦の火ぶたが切って落とされ、全面的な連携は望み薄だ。

 両リーダーは今後、原発政策や安全保障政策でも論戦を交わす方向だ。

 首相は年明け以降に九州電力川内原発を再稼働させる方針。海江田氏は21日の街頭演説で「自民党は3年前の東京電力福島第1原発事故がなかったかのようなエネルギー政策に戻っている」と追及した。

 ただ民主党が政権を担っていた12年6月に原発事故後初めての関西電力大飯原発の再稼働を決めた経緯がある。今回の政権公約では「30年代の原発ゼロに向け、あらゆる政策資源を投入する」として、当面の再稼働を否定していない。

 海江田氏は集団的自衛権行使を認めた問題では、国会での議論不足などを理由に安倍政権によることし7月の行使容認の閣議決定撤回を求める。党内に賛否両論を抱え、踏み込めていないのが実情だ。

 首相側も世論に異論がある原発再稼働や集団的自衛権問題よりも、論点をアベノミクスに絞りたいのが本音。与野党の対立軸が曖昧となれば、今後、争点としてかすむ恐れも否めない。

2014/11/27 13:02 【共同通信】

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