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防衛省前で防衛装備庁の発足に抗議する市民団体=1日午前、東京都新宿区で(松崎浩一撮影)
防衛省前で防衛装備庁の発足に抗議する市民団体=1日午前、東京都新宿区で(松崎浩一撮影)
2015/10/01 15:28   【東京新聞】  
武器の輸出や購入、他国との共同開発を一元的に担う防衛省の外局「防衛装備庁」が一日発足した。戦後の武器禁輸策を転換し、武器輸出を原則解禁した防衛装備移転三原則(昨年四月に閣議決定)に基づく組織で、官民一体で武器輸出を促進する司令塔となる。  装備庁設置は防衛産業の発展を成長戦略につなげる政策の一環。防衛省の内局の一部や陸海空自衛隊の関連部門を統合し、職員約千八百人。武器やその他の装備品の研究開発や輸出、購入を専門的に扱うほか、国内の防衛企業への助言や各国との交渉窓口役も担う。  防衛省は、装備庁の意義について「装備品調達のコスト削減や、国内の防衛産業の育成につながる」と説明。だが、三原則のうち「紛争当事国への輸出を認めない」とする原則は、相手国が日本の事前同意なしに再輸出したり目的外使用したりする事例を認めており、日本製の武器や部品が知らない間に紛争地で使われる余地がある。  武器に関する権限が集中して防衛企業との関係が密接になり、汚職の温床になるとの指摘もある。  防衛省は一日付で大幅な組織改編も実施した。これまで自衛隊の部隊運用を担当していた内局の運用企画局を廃止し、業務を統合幕僚監部(統幕)に一元化。集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法に基づく新たな部隊運用の責任を、制服組(自衛官)が担う体制に変更した。 ◆軍拡競争助長の恐れ  防衛装備庁の設置は、安倍政権が「積極的平和主義」を名目に、海外への武器輸出に関する厳しいルールを緩和したのに合わせた対応だ。輸出促進だけでなく、軍事技術の面でも米国やオーストラリア、欧州諸国と共同開発などの連携を深める目的がある。自衛隊の海外活動の範囲を飛躍的に拡大させる安全保障関連法と連動しており、平和国家としてのこれまでの歩みと逆行する。  武器輸出解禁の背景には、経済界からの強い要請もある。武器や装備品の開発・生産企業は、同時に原発やインフラの海外輸出を行う企業が中心。海外で競争が激化する中、武器や装備品の部品などの輸出、他国との共同開発を増やすことで、体力や利益を高めたい思惑からだ。  安倍政権は、武器輸出拡大も成長戦略の一部だと主張する。だが、利益優先の武器輸出促進は安保法に盛り込んだ集団的自衛権行使容認や他国軍の支援などとともに、敵国とみなされた国々の警戒感を高め「軍拡競争」を助長しかねない。  防衛省は過去、官製談合事件を起こし、旧防衛施設庁を廃止した経緯がある。名称を変えて役所を「復活」させ、再び組織が肥大化することは、防衛産業との新たな癒着を生む危険性もはらんでいる。 (中根政人) ◆「輸出にノー」市民ら抗議  防衛装備庁が発足した一日、同庁が入る防衛省(東京都新宿区)の正門前では、市民団体の関係者ら数十人が午前八時半から抗議活動を行った。「武器輸出にノー!」などと書かれたプラカードを手に、「武器を売るな、装備庁要らない」と約一時間にわたってシュプレヒコールを上げた。抗議は同日午後六時半からも行う予定。  参加した「秘密保護法を考える市民の会」(新宿区)のメンバー満田夏花さん(48)は、「安保関連法の成立に反対してきたが、防衛装備庁は輸出を担い、日本の軍事化が一気に進む」と抗議。杉並区の歯科医師岡田弥生さん(61)は、「日本が守ってきた『死の商人にはならない』という言葉がこのままでは死語になる」と訴えた。 [記事全文]  

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