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2010年09月01日
戦国武者の末裔の里 新選組が旅立った日野

司馬遼太郎さんの小説「燃えよ剣」など、多くの活字、映像作品に登場する新選組。幕末を駆け抜けた剣客たちは、東京・日野での青春時代を経て時代の荒波にこぎ出した。
新宿からJR中央線で西へ約40分。日野駅から東に歩き、参勤交代の大名らが休憩、宿泊した建物が現存している甲州街道の「日野宿本陣」へ。日野を含む多摩地方は、もともと戦国武者の末裔も多い土地柄。本陣を営む名主は農民にも武芸を奨励し、敷地内に道場を開設。指南役として近藤勇、沖田総司ら後の新選組を背負う精鋭が江戸から招かれ、互いに腕を磨いたという。
中でも、豪農の家に生まれた土方歳三は名主の義弟でもあり、稼業の薬売りの合間によく立ち寄ったらしい。山本耕史さん、香取慎吾さんが演じる土方と近藤が、本陣の縁側で語り合ったのは、2004年のNHK大河ドラマ「新選組!」のワンシーン。「当時のブームはすごかった」とガイドさんは感慨深げだ。

人望が厚かった六番隊隊長、井上源三郎の生家は今、子孫が土蔵を改装した資料館に。すぐ前の通りは「北原道」と呼ばれ、戦国期から残る古道との説も。ふと見れば、道端、庭先の地蔵や稲荷(いなり)が何とも古めかしい。
司馬さんが猫になぞらえた土方の故郷は、多摩都市モノレール 万願寺駅の辺り。多摩川と支流の浅川が合流する旧石田村だ。一族は今も健在で、個人宅からクリニック、自動車整備工場まで「土方」が目を引く。
墓がある石田寺には毎年5月の命日に合わせ、全国からファンが集まるというが、この日は静か。樹齢400年とされるカヤの木陰で休んでいると、墓石の裏の卒塔婆がカタカタと風に鳴った。

【ちなミニ】日野宿本陣は、日野市観光協会の土産物店も併設。「誠」を染め抜いた手ぬぐい(500円)やクリアファイル(350円)が売れ筋。土方が愛用した「和泉守兼定」の模造刀(1万8900円)も高価な割に売れているという。


















