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森林インストラクター米倉久邦のシニアの星

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手づくり百名山~60歳からの挑戦
(100)庚申山の修験道をたどる 皇海山・2144メートル

(100)庚申山の修験道をたどる 皇海山・2144メートル

 栃木県足尾から銀山平へ。一の鳥居で庚申(こうしん)山参拝の山道に入る。枯れ葉に埋まった沢沿いの小径(こみち)の先が無人の山小屋、庚申山荘だ。枯れ木を集めてたき火をした。風もなく、静寂のみが支配している。独りだ。

 闇の奥から、鋭くシカが鳴いた。すぐ近くで赤い目が二つ、こちらを見ていた。たき火が消え、夜の底にしばらく身を沈めた。闇に包まれて、人は無力である。自然への恐れを感受し、横たわってひたすら夜明けを待つしかない。

 翌朝、日の出を待って歩き出した。足尾山塊は日光を開いた勝道上人らによって開山されたとされる。江戸時代には庚申講が隆盛を見せ、庚申山は信仰登山や修験者でにぎわった。目指す皇海(すかい)山もその奥の院として登路が付けられていたという。

 庚申山へは奇岩、怪石を縫ってはしごや鎖が頼りの険しい道だ。春、この山の垂直の岩壁に淡い赤紫の花が咲く。コウシンソウだ。世界的な珍種である。背丈が6、7センチの食虫植物は庚申山で発見され、昭和27年には国の特別天然記念物に指定された。

 予想以上に好天だ。急登をこなして庚申山頂。やっとモッコリと針葉樹に覆われた皇海山が姿を見せた。鋸(のこぎり )山十一峰の修練の道を越えて鋸山から急な下りで不動沢のコルに出た。群馬側の登山道との合流点だ。栗原川林道を経由すれば、皇海山は3時間足らずで山頂に立てる。

 皇海山東面の松木沢本谷は渡良瀬川の源流だ。渓谷の草木は足尾銅山から流れる銅精錬の亜硫酸ガスで全滅し、いまも無残な姿だ。銅山閉山後、緑再生の運動が輪を広げているのが救いだ。

 来たルートを戻った。雲行きが急に慌ただしくなり、庚申山から下りるころにはチラチラと雪が舞った。冬は足早である。(ジャーナリスト・米倉久邦、2006年3月記)
◎皇海山行程 
 1日目
 13時50分 銀山平
 14時35分 一の鳥居
 15時40分 庚申山荘
 2日目
 6時45分 庚申山荘
 7時45分 庚申山
 9時35分 鋸山
 10時55分 皇海山
 13時55分 庚申山
 15時55分 銀山平
(2004・12・15―16)


【百名山】

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